国内男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」で優勝を飾ったのは今平周吾。現地取材したみんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修がそのスウィングを解説。

国内男子ツアー開幕戦は、初日を7アンダーで今平周吾、金谷拓実選手がが並び、1打差に20歳のレフティ細野勇策、浅地洋佑選手が続きました。2日目には細野選手がコースレコードを更新する10アンダーで躍進、今平選手は単独2位で終えます。3日目は星野陸也、石川遼、金谷拓実選手らがスコアを伸ばす展開になり、今平選手は伸ばせず4位タイ。そして最終日はバックナインで6バーディを奪う猛攻でプレーし逆転で勝利をつかみました。

画像: 2023年国内男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」を制した今平周吾(写真/姉崎正)

2023年国内男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」を制した今平周吾(写真/姉崎正)

初日のラウンド後の囲み会見では「用具契約するヤマハの新ドライバー(プロトタイプ)の小ぶりのヘッドと昨年までと同じモデルだが、ロフト角をわずかに立てたアイアンがマッチしたと」話していました。元々アイアンが得意なショットメーカーですが、パットもかみ合い爆発力を発揮しました。そのスウィングをじっくり見てみましょう。

両わきが適度に締まり、肩幅が入るくらいのスタンス幅で構えます。バックスウィングでは頭を右に寄せながら背中をターゲットに向ける深いトップ。切り返しでは上体を残しながら左への移動する横方向の力を使います。(画像A)

画像: 画像A 適度にわきが締まり肩幅よりも広いスタンスから、頭を右に寄せながら深いバックスウィングをとる。ターゲット方向へ横方向の力を使って切り返す(写真/有原裕晶)

画像A 適度にわきが締まり肩幅よりも広いスタンスから、頭を右に寄せながら深いバックスウィングをとる。ターゲット方向へ横方向の力を使って切り返す(写真/有原裕晶)

ターゲット方向への横方向の力を使って切り返したら、骨盤をターンさせて左腕が地面と平行になる位置で回転力のピークを迎えます。その後は縦方向の力のピークが来ますが、今平選手は左ひざが伸びていないので、横方向と回転力を主なエネルギーとして飛ばしていることが見て取れます。

特にブレない下半身は、「毎日200段以上もある階段をダッシュで10往復した」というオフのトレーニングの成果も大きいのでしょう。太もも裏や腹筋など体幹につながる筋力をアップさせたことで安定感が増しているような印象でした。

左利きの今平選手ならではのリードアーム(左手)の使い方で、叩くというよりは振り抜きの良いスウィングで方向性も確保しています。(画像B)

画像: 画像B 左腕が地面と平行になる位置で回転力のピークを迎える。左利きの今平はリードアーム(左腕リード)で叩くというより振り抜くことで方向性も確保(写真/有原裕晶)

画像B 左腕が地面と平行になる位置で回転力のピークを迎える。左利きの今平はリードアーム(左腕リード)で叩くというより振り抜くことで方向性も確保(写真/有原裕晶)

例年よりも2週間早い開催でしたが半袖でプレーできるほど温かい天候だったことだけでなく、ゴルフ留学からの帰国組や海外のツアーに挑戦する選手も多くみられるようになり、全体のレベルが上がっていることでカットラインは2アンダーとなりました。

しかし、終わってみるとよく知った顔ぶれのスコアボードになりました。その中で5位タイの細野勇策、小木曽喬、8位タイの長野泰雅、中島啓太選手らの今後にも期待します。

今週のマスターズを挟んで、次戦はマスターズ帰りの前年覇者の比嘉一貴選手の姿も見られることでしょう。引き続き男子ツアーにも注目していきましょう。

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