「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回は自分に合うスペックを見つけるためのコツを教えてもらった。

体にやさしくて、いいスコアの出せるギアを選びたい

みんゴル取材班(以下、み):40代から50代、50代から60代と歳をとるごとに体力が落ちてきて、とくにラウンドの後半がきつくなってきます。体にやさしくていいスコアの出せるクラブ選びのコツを教えてください。

宮城:まずスペックを見直すべきです。たとえばヘッドスピード40m/sくらいの平均的な男性アマチュアの場合、アイアンのシャフトのモーダスの105とか115を使う人が増えています。

み:そうですね。昔はダイナミックゴールドとNSプロ950GHの中間の重さは選択肢があまりなかったけれど、最近はいろんなメーカーから100や110グラム台が出てきました。

純正シャフトとしても採用されているので重宝している人は多いと思います。それにあえてこの辺りの重量帯を使っている人はクラブのことがよくわかっているイメージがあります。

宮城:ぼくに言わせれば、よくわかっていない人がほとんどですね。

み:え、そうなんですか。

宮城:もちろんその重量が合って使っている人もいますが、ヘッドスピードもドライバーの飛距離も同じくらいの女子プロは70や80グラム台を使っています。ちょっとパワーのある選手でもNSプロ950GHとかです。

み:確かにそうですね。でも逆に女子プロなら105とか115でも振れるのではないでしょうか。

同じ力感とスピードで、18ホール"振れる"重さが大切

宮城:それどころかダイナミックゴールドのS200だってバンバン打てます。でも問題は、初日の1番のセカンドと最終日18番のセカンドを同じように振れるかどうかです。

火曜、水曜と練習ラウンドをして木曜日にプロアマ、金曜から日曜までが試合。最近は4日間大会も増えています。彼女たちは最終日にストレスを感じない軽さにするためにあえてアンダースペックにしているのです。

み:振れる範囲でできるだけ重くするというのが定説です。そこを基準にしているアマチュアが多いと思います。

宮城:勘違いしやすいのですが、振れる範囲というのは一発振って最高の結果が出るということではなく、18ホール続けて同じ力感とスピードで振れる重さという意味です。

ぼくがアマチュアのフィッティングを行う場合は、最初に前半9ホールと後半9ホールでどちらのスコアがいいのか教えてもらいます。後半9ホールがよければ今のスペックがほぼ合っていると考えてかまいませんが、後半悪くなる人にはそのスペックから10グラムくらい軽くするように提案します。

み:新しいクラブを試打するときは何を打ってもマイクラブよりいいと思えてしまいます。

宮城:暑さ寒さや、風もない試打室で20、30球打った結果だけで決めつけないほうがいいです。実際のラウンドでどんな条件のときにどんなゴルフになるのかなど、フィッターさんとはたくさん会話しながら選ぶことで、最後まで疲れず、結果的にいいスコアで回れるクラブを見つけることができると思います。

画像: 「女子プロたちは、試合の最終日にストレスを感じない重さのスペックを選んでます」と宮城氏は語る

「女子プロたちは、試合の最終日にストレスを感じない重さのスペックを選んでます」と宮城氏は語る

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