飛距離を武器にバーディを重ねる岩井千怜、正確なショットと要所のパッティングでボギーを打たない山下。優勝争いは最終組の2人が主役を務めた。
ともに9アンダーで迎えた最終18番パー4では2打目を先に打った山下が1.5メートルのバーディチャンス。続いて岩井の2打目はグリーン右手前のバンカーで目玉となり、4オン1パットで痛恨のボギー。
山下はバーディパットを外したものの、難なくパーセーブして決着した。
「なかなか攻め切れないピン位置に切ってあったので、とりあえず目標にしていたノーボギーを心掛けていました。そこでチャンスが来た時に決めきれたらいいなと思っていたので、気持ちの部分でも今日は自分をコントロールできたかなと思います」
山下は一時、岩井に2打リードを許したが、目標通りのノーボギーのプレーでプレッシャーを与え続けて、最後は逆転。
ここまでベテラン優勢だった今季の女子ツアーでは最年少の優勝者。女王の貫録勝ちとなった。
昨季、年間女王、賞金女王に輝いた山下はこの優勝で今年もそれぞれの部門で2位、1位に浮上。
昨季は日本人選手初の60台を記録した平均ストロークは今年も60台に突入し、"タイトル防衛"に向けて、変わらぬ強さを見せている。夏場には海外メジャー参戦も計画しており、コンディション調整など難しい面も出てくるはずだが、国内でのプレーを決断した春先に貯金を作ることができそうだ。
2年連続の女王戴冠となれば、2015、16年賞金女王のイ・ボミ、日本人選手では2000年から2005年まで6年連続の不動裕理以来の快挙。
開幕から1か月半で、年間女王や平均ストロークの話題をするのは早過ぎるが、そこに触れたくなるほど、山下の強さを強烈に印象付ける1勝となった。