今年のマスターズは現代のビッグ3(世界ランク1位のシェフラー、2位のマキロイ、3位のラーム)のひとりジョン・ラームの圧勝で幕を閉じた。キャリアグランドスラムがかかったローリー・マキロイが予選落ち、連覇を狙ったスコッティ・シェフラーも10位タイに終わるなか、気を吐いたのがLIV勢だった。3日目まで首位を走ったブルックス・ケプカもさすがだったが最終日7アンダー65をマークしケプカとともに2位タイに食い込んだ52歳のフィル・ミケルソンが凄かった。

最終日、達成感を滲ませた"ミスター・アメリカ"

荒天でサスペンド続きだった2日目、3日目とは打って変わり、抜けるような青空が戻ったオーガスタの日曜日。母国のカリスマであり憧れのセベ・バレステロスの誕生日にジョン・ラームが栄冠に輝くなか、最終組がホールアウトする1時間以上前にクラブハウスリーダーとなったのがミケルソンだ。

サンデーバック9で5バーディを奪う猛攻で一緒に回ったジョーダン・スピースとリーダーボードを駆け上がり通算8アンダーでホールアウト。後続を待つ間インタビューに応じたミケルソンは「結果はどうあれ今日は本当に楽しかった。こういう最高の舞台で戦うチャンスをもらっていいプレーができた。自分にとっては大きな意味がある」と達成感を滲ませた。

LIVに移籍してからすっかり影が薄くなってしまったが、全盛期タイガー・ウッズと人気を二分した“ミスター・アメリカ”はPGAツアーに在籍していたときと同じ親指を立てる“いいね”ポーズで声援に応えパトロンの喝采を浴びた。

画像: 親指を立てる"いいね”ポーズでパトロンの声援に応えたフィル・ミケルソン(写真/Getty Images)

親指を立てる"いいね”ポーズでパトロンの声援に応えたフィル・ミケルソン(写真/Getty Images)

体がスリムになり、ストレス減。思い通りにクラブが振れる

見違えたのは体型だ。「マスターズの前に12キロ減量して学生時代の体重に戻った」とスリムになったのだが、それを記者に褒められると「ありがとう。食べるのをやめたからね」と軽いジョーク。

実際はコラーゲンやプロテインパウダー、ヒマラヤの岩塩などを入れた特製コーヒーで「1日を始める生活」でスリム化に成功。さらに断食も取り入れ最近も数カ月に3日間の割合で断食をおこない「体をリセット」している。

太っていた頃は慢性的な関節の痛みがあったというがダイエットに成功し「気分もいいし朝の目覚めが良い」とストレスが減り練習にも打ち込めるようになったという。

「52歳になってケガなく体の問題もなく自分の思い通りにクラブを振ることができる。この年齢でそれができる人間は少ない。チャンスをもらえて感謝している」

「質の高いショットもたくさん打てたけれどミスもあった。それでも後先のことは考えず今、この瞬間に集中できた。心を静かにして重要な場面ではきちっと打つべきショットを打てた。それが大きな収穫」

グリーンジャケットに3度袖を通しているミケルソン。アリゾナ州立大学在学中にプロの試合に優勝してから30年以上第一線で活躍する彼の勇姿をもっと見たいと思うファンはいるはずだ。

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