国内女子ツアー「KKT杯バンテリンレディス」最終日、1打差の2位でスタートした岩井明愛が粘り強いプレーでイーブンパーとスコアをまとめ、逆転でツアー初優勝を果たした。妹・千怜は昨年の「NEC軽井沢72」「CAT Ladies」を制しており、史上初の双子でのツアー制覇。姉妹での優勝も、福嶋晃子&浩子、堀奈津佳&琴音に続く、3組目の快挙となった。
画像: 先にホールアウトした妹・千怜(右)が姉・明愛の優勝にかけつけて、思わず涙(撮影/姉崎正)

先にホールアウトした妹・千怜(右)が姉・明愛の優勝にかけつけて、思わず涙(撮影/姉崎正)

「ずっと私が勝つと思ってラウンドしていました」(姉・明愛)

前半を終えて、岩井明愛と首位の差は3打に広がっていた。追いかける相手は元世界ランク1位で今季すでに1勝を挙げている申ジエ。それでも「ずっと私が勝つと思ってラウンドしていました」と弱気になることはなかったという。

そんな強い気持ちに押されたわけではないだろうが、申は前日に続いて後半に失速し、13番で両者の立場は逆転。岩井(明愛)は10番のバーディ以降、きっちりパーを重ねて、初Vを手繰り寄せた。

強気なのは岩井千怜も同じだった。自身のプレーを終え、応援のため、グリーンサイドへと急ぐなか、サインを待つギャラリーに「姉の優勝を見てからでいいですか?」と声を掛けた。1打リードしているとはいえ、まだ勝負は分からない状況だったが、“姉のプレーを”でも、“優勝争いを”でも、なかった。

性格はそれぞれだろうが、初優勝の重圧がかかる場面で落ち着いてプレーしていたのは2人の共通点。この強いメンタルは常に身近にライバルがいたからこそ育まれたのではないか、そんな想像が膨らむ場面だった。

「日本でお互い何勝かして、いずれは2人で海外で活躍したい」(姉妹)

岩井姉妹に続く、姉妹や双子がいるのかも見ておこう。日本女子プロゴルフ協会によると、ともにプロテストに合格した姉妹プロは18組。

うち双子は4組しかおらず、2組目の双子V候補は残念ながら見当たらない。そもそも、今季のレギュラーツアーに姉妹で出場しているのは堀姉妹と岩井姉妹だけ。

チャンスがあるとすれば、ツアー5勝の妹・絵理香、ステップアップツアーでプレーする姉・明砂美の菊地姉妹だろうか。

今後新たに生まれる姉妹プロに目を移すと、ツアー優勝者の吉田優利や植竹希望、セキ・ユウティンの妹が昨年のプロテストを受験していた。

結果はいずれも不合格だったが、今年、改めてトライしてくるはず。なかでも、吉田の妹・鈴は今大会20位タイでローアマを獲得。2年連続で「オーガスタ女子アマ」に出場するなど、大舞台の経験も積んでおり、プロテストでリベンジを果たせば、すぐに4組目の姉妹V候補と期待されるのは間違いない。

快挙を達成した岩井姉妹は「歴史を作りたいですね。日本でお互い何勝かして、いずれは2人で海外で活躍したい」と目指すものも大きい。双子による優勝争いが見られる日も近いだろう。

2人のさらなる活躍はもちろん、彼女たちに続く強い姉妹の登場も楽しみだ。

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