大型ワングリーンが増えている
古くからある日本のゴルフコースは2グリーンのコースが多く、グリーンのサイズ自体もコンパクトで、たいていは受けグリーンというのがお決まりのパターンでした。
コース攻略も、「奥は避けて手前から」「とにかくセンター狙いで乗せていけ」というのが王道とされてきました。
でも最近はワングリーンへ改修したコースも増え、元々ワングリーンで造られたコースはグリーンのサイズが格段に大きくなっていたり、傾斜も複雑というダイナミックな設計が増え、これまでのセオリーが通用しないケースが増えてきたような気がしています。
今回はそんなワングリーンのコースの攻略について考えていきたいと思います。
複数の面を持つグリーンはどうすればいい?
最近ワングリーン化されたコースを見ると、グリーンの面がひとつではなく、複数のグリーン面を組み合わせたような設計が多くなっています。
東京オリンピックの舞台となった霞が関カンツリー東コースがその典型でしょう。
ピンの位置を設定しやすい比較的フラットな面が4~5ヵ所設けられ、面と面とは強い傾斜でつなげげてあるような設計です。たとえグリーンに乗ったとしても、違う面からのパッティングは難易度が高くなり、とてもバーディチャンスとは言えません。
こうしたグリーンでは、「とにかく乗せておく」というのは通用しません。
激しい傾斜を越えていくようなラインを残してしまうとスリーパットは必至。「もはやグリーン上ではない」とさえ考える必要があるのです。
こうしたグリーンではグリーン外のアプローチエリアも含めて、上りのラインが残るエリアを探し、そこから攻めていく、というのが良いでしょう。
たとえば横長のグリーンでピンが左端に切られている場合。グリーン左に外しても、上りのアプローチが残るなら、グリーンセンターに乗せるよりもパーを取れる確率は高くなります。
グリーン上かどうかに関わらず、セーフティーエリアを考えて攻めることが大切です。
ヤーデージによってグリーンの形状や大きさが変化。攻め方を変える
また、ホールの距離によってグリーンの形状や大きさにメリハリをつけるコースも多く見られます。
たとえば350ヤード以下の短いパー4のホールや、500ヤード以下のパー5のホールでは、ショートアイアンでグリーンを狙わせることが前提になっているので、グリーンの奥行を狭くしたり、グリーン手前に深いバンカーを設けたりと、シビアにキャリーで止めるショットを求める設計が多いです。
400ヤード以上の長いパー4では、長いクラブでグリーンを狙うことになるので、ある程度ランを使って攻められるよう、手前に花道を用意したり、縦長のグリーンにしたりして変化をつけているのです。
よく、「短いホールには罠がある」と言われるのは、この考え方が前提になっている場合が多いと言えます。
こうしたコースでは、打つ番手によって攻め方を変える必要があります。
ショートアイアンで打てるからと言って、むやみにビンを狙っていては危険が大きくなる場合もありますし、たとえウッドで打つ距離が残っても、花道を使えるなら積極的にピンを狙うという戦略も有効な場合もあります。
また、先ほどのような短いクラブでグリーンを狙う設計をされたホールで、ティーショットを失敗し、セカンドが200ヤード近くも残ってしまった、などという場合、長い番手でグリーンを狙うのはかなり危険ということになってしまいます。
グリーンという目標そのものが大きいコースでは、グリーンを外す可能性は低くなるものの、実際にはスコアをまとめやすいポイントが限られているケースがほとんどです。
「とにかく乗せればOK」ではなく、グリーンのサイズと形状を把握した上で、攻略ルートを考えていく。
実際にできるかどうかに関わらず、こうしたことを考えてプレーすることで、プレーの楽しみ方を深めていくことができると思います。