優勝者は18番ホールの池にダイブするのが恒例
昨年までANAインスピレーションの名称だった大会の名物はなんといっても優勝者が18番ホール脇のポピー池に飛び込む“勝者のダイブ”。これまで29名のチャンピオンがキャディや家族と手を繋ぎ個性的なダイブで歓喜の瞬間を迎えてきた。
1972年アメリカの有名歌手ダイナ・ショアさんの企画でスタートした大会は83年にメジャーに昇格。毎年同じコースで開催されるシーズンメジャー第1戦は女子版マスターズとして人気を博し88年にエイミー・オルコットが勝った勢いのまま池に飛び込んだのが勝者のダイブのはじまりだ。
びしょ濡れのままチャンピオンローブ(白のバスローブ)をまといトロフィーを掲げ、インタビューを受けるのが恒例だった。
昨年ミッションヒルズでのラストチャンピオンに輝いたのはシェニファー・カプチョ。アメリカ勢の優勝は15年のブリタニー・リンシコム以来7年ぶりだった。
歴代最多人数で飛び込んだのが世界ランク1位だった08年に勝ったロレーナ・オチョア。彼女の勝利を確信し、誰が手配したのか18番のグリーンサイドには故郷メキシコの民族衣装をまとった楽団マリアッチが集結。陽気な音楽を奏でるなかオチョアは親族一同10数名とともに池に飛び込んだ。
喜び一転、アクシデントに見舞われたのが11年連覇を狙ったヤニ・ツェンを逆転で破ったステイシー・ルイスだ。喜び勇んで飛び込んだ途端、隣でダイブした母が足を骨折。「やったー、と思った途端の、まさかでした」と苦笑いした。
最年少ダイブは宮里藍と同期のモーガン・プレッセルで18歳(07年)。世界ランク1位でダイブしたのは歴代最多タイの3勝をマークしているアニカ・ソレンスタムとカリー・ウェブ(2回優勝)、朴セリ、朴インビーとオチョアの5人。今年はリディア・コにそのチャンスがあり、勝てば大会2勝目となる。
ダイブしたあと選手たちが決まって口にしたセリフが「案外水が冷たかった」。アメリカ有数の避寒地として冬でも暖かいミッションヒルズだが春なのに池の水温は低かったようだ。
新装開店したザ・シェブロン選手権ではどんな名物が生まれるのだろうか?