国内女子ツアー第8戦「フジサンケイレディスクラシック」で初優勝を挙げたのは、昨年のプロテストをトップ合格したルーキーの神谷そら。同期一番乗りの勝利を飾ったスウィングをみんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファー中村修が解説。

ニューヒロインの誕生

先週初優勝を飾った岩井明愛の妹・千怜、ルーキーでQTランク4位の荒川怜郁、今季好調で初優勝を狙う安田祐香と神谷そらの4選手の順位がホールを追うごとに目まぐるしく入れ替わり、目が離せない展開になりました。

結果的には、最終18番ホールで4名ともボギーフィニッシュとするも、17番パー3でバーディを奪っていた神谷選手が1打差で逃げ切り、ルーキー一番乗りの初優勝を手にしました。

画像: 「フジサンケイレディスクラシック」で初優勝を飾ったルーキーの神谷そら(写真/岡沢裕行)

「フジサンケイレディスクラシック」で初優勝を飾ったルーキーの神谷そら(写真/岡沢裕行)

神谷選手のプレースタイルは何と言っても豪快なドライバーショット。驚くのはそのスペックで、ヤマハRMXVDドライバー9.5度にフジクラベンタスブラックの5Xを44.75インチで組み上げています。  大きなトップから振り遅れないようにしようという短めの設定意図が見えますが、硬く張りのあるシャフトを振り切れるだけの筋力、スウィングバランスを持っているといえます。では、そのスウィングを見てみましょう。

下半身を効率よく使って大きな飛距離を生み出すスウィング

両わきが締まったアドレスから胸を右に向けるように始動していきます。左腕が地面と平行になる位置でクラブを立てるようにコックしています。(画像A)

画像: 画像A 両わきの締まったアドレスから左腕が地面と平行になる位置でクラブを立てるようにコックを入れる(写真/大澤進二)

画像A 両わきの締まったアドレスから左腕が地面と平行になる位置でクラブを立てるようにコックを入れる(写真/大澤進二)

オーバースウィングにも見えますが、胸椎の可動域を目一杯使って深く捻転しています。腰の回転量と胸椎の捻転量の差がしっかりと作れています。始動で右足から、トップでは左足へと地面に圧力をかけ、左足を踏み込みながら切り返します。(画像B)

画像: 画像B 胸椎の可動域を目一杯使って胸を右に向け、始動で右足にかけた圧力を左へと移して切り返す(写真/大澤進二)

画像B 胸椎の可動域を目一杯使って胸を右に向け、始動で右足にかけた圧力を左へと移して切り返す(写真/大澤進二)

切り返し以降は、左足を伸ばすように圧力をかけてブレーキをかけることで、上体を進行方向に回転させながら、右足を踏み込んで振り抜きます。

足裏の圧力を計測できるスウィングカタリストという計測器で解明された、ドラコン選手や飛ばし屋に見られる、始動で右→左→右→フィニッシュで左と地面にかける圧力を移動させることで、ヘッドスピードを加速させていることが神谷選手のドライバーショットから見て取れます。(画像C)

画像: 画像C トップで作った捻転差を保ちながら、下半身を効率よく使ってヘッドを加速させ大きな飛距離を生み出している(写真/大澤進二)

画像C トップで作った捻転差を保ちながら、下半身を効率よく使ってヘッドを加速させ大きな飛距離を生み出している(写真/大澤進二)

最終日のドライバーショットは荒れていましたが、攻める気持ちを持ち続け、振り切るスウィングを貫いたことで、また一人新たなヒロインが誕生しました。次のヒロインは誰になるでしょうか。今週の「パナソニックオープンレディース」も目が離せなくなりそうです。

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