4月28日から3日間の日程で開催される「パナソニックオープンレディース」。練習ラウンドの水曜日に、選手をサポートするクラブメーカーのバスから、みんなのゴルフダイジェスト編集部員でプロゴルファーの中村修がレポートをお届け。

先週の川奈GCから今週は千葉県の浜野GCに舞台を移動して行われる女子ツアーの「パナソニックオープンレディース」。水曜日の練習日はあいにくの雨模様。練習ラウンドを9ホールで引き上げる選手もちらほら見えます。今回は、選手をサポートするツアーバン、もしくはツアーバスと呼ばれるバスの車内からお届けします。

先々週初優勝を挙げた岩井明愛選手も使用するヨネックスのアイアンを紹介します。写真のアイアンは現在テスト中の臼井麗香選手のもので、軟鉄鍛造モデルの「EZONE CB501」です。ちなみに明愛・千怜選手は「CB511」を5番からPWまで投入しています。

画像: 岩井明愛はヨネックス「EZONE CB551」アイアンを使用して優勝を勝ち取った(写真は2023年のKKT杯バンテリンレディスオープン 撮影/姉崎正)

岩井明愛はヨネックス「EZONE CB551」アイアンを使用して優勝を勝ち取った(写真は2023年のKKT杯バンテリンレディスオープン 撮影/姉崎正)

臼井選手のテストする「CB501」の特徴は、軟鉄鍛造の素材にプラスして、キャビティ部をえぐってカーボン素材をインサートすることで得られる柔らかい打感、球の上がりやすさやコントロール性といったところ。

実はヨネックスのアイアンは男子ツアーでも使用者が増えています。池田勇太、片山晋呉、小田孔明、大槻智春、竹安俊也、岩田寛選手などなど。アイアンセットすべてヨネックスという選手ばかりではありませんが、使用者は増加中なんです。

画像: 臼井麗香がテストするヨネックス「EZONE CB501」

臼井麗香がテストするヨネックス「EZONE CB501」

PWなら7度ダウンブロー、6番アイアンなら3度ダウンブローといった具合に、ショートアイアンとミドルアイアンではクラブの長さが変わることでボールに対する入射角も変わります。ダウンブローの強いPWではスコアラインの下から4本目、ダウンブローの度合いが弱くなる6番アイアンではスコアライン3本目というように入射角によって打点も変わってきます。それに合わせて芯の位置も変えたい。ショートアイアンからロングアイアンに向けて重心位置をフローさせることで、打点が変わっても同じ打感であったり、球が上がりやすくなったりとアイアン作りのキモになる技術となっています。

例えばスピン量でいうと、フェースの重心位置よりも下で打つとスピン量は増え、重心位置より上で打つとスピン量は減ります。ドライバーを低重心にするのは重心位置よりも上に打点を持ってくることでスピン量を減らす狙いがあったりします。

話をアイアンに戻すと、例えばダウンブローで打つプロのクラブの場合、PWで低重心にし過ぎてしまうと重心位置よりも上で打つことになり、必要なスピン量が得られないので、ボールを止めたり、距離感を合わせるのが難しくなることも起こります。球の上がりやすさでいうと重心位置よりも上で打つとボールは上がりやすくなる効果があるので、ロングアイアンは低重心にしています。

画像: 入射角の強いダウンブローになるPWの打点は高く(写真左)、入射角が弱くなるミドルアイアン以降は打点は低くなる

入射角の強いダウンブローになるPWの打点は高く(写真左)、入射角が弱くなるミドルアイアン以降は打点は低くなる

ヨネックス「EZONE CB501」を見てみると6番アイアンとPWとではネックの長さが違っています。6番では短くして重心位置を低く、PWは長くすることで重心位置を高くすることで打点に合わせた芯の位置に調整しているんです。

画像: 番手ごとの重心位置を最適にするためにネックの長さを変化させることで重心位置もフローさせている

番手ごとの重心位置を最適にするためにネックの長さを変化させることで重心位置もフローさせている

初心者向けや上級者向けのモデルが存在する理由は、フェースの大きさだけでなくダウンブローで打てる上級者に対しては重心位置を高く、初心者向けは低重心で球を上げやすい設計にすることで、技量やスウィングに合わせて選べるようにラインナップされています。

軟鉄やステンレス、チタンといった素材にタングステンなどの比重の重い金属を組み合わせた構造のアイアンでは、ネックの長さを変えなくても重心位置を最適化しているモデルもあります。お使いのアイアンが自分のスウィングにマッチしているか眺めてみても面白いと思います。

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