全米プロゴルフ選手権でブライソン・デシャンボーが4アンダー66の好スタートを切った。「ゴルフを科学する男」として、かつて毎週のようにゴルフメディアの見出しを賑わしていたがLIVに移籍したことでめっきり露出は減りゴルフ自体も低調だった。しかし「練習ラウンドではアンダーパーが出せるわけがないと思うほどコースは難しい」というメジャー第2戦で本領発揮? すっきりスリムになったデシャンボーに「ダイエットした?」と聞いてみた。

2年前のマスターズくらいから、体調に異変を感じはじめた

「食生活を改善しました。一日5000カロリー摂取していたのをシェフの助けを借りて2900カロリーに抑えて24日間で18ポンド(約8キロ)痩せました。筋肉は落とさず水分、つまりむくみが取れた感じです」

3年前コロナでツアーが中断し、再開したときデシャンボーは10キロ以上増量し、まるで超人ハルクのようなダイナマイトボディに変身していた。それはすべて飛距離を伸ばしパワーをつけるため。その目論見通りその年(20年)の全米オープンでは難関コースを力でねじ伏せメジャー初優勝。「ゴルフを別のものに変えてしまった」とベテラン勢がため息をついたもの。

画像: 24日間で約8キロの減量を成功させ、スリムになったブライソン・デシャンボー(写真/Getty Images)

24日間で約8キロの減量を成功させ、スリムになったブライソン・デシャンボー(写真/Getty Images)

世界ドラコン大会にも出場し、飛ばしに特化した猛者たちと互角以上の戦いを見せ、ベスト8進出を果たした。しかし2年前のマスターズあたりから体調に異変を感じはじめたという。

「軽いめまいのような症状が出て、気持ちが不安定になったのです。心と体のバランスが崩れ、鼻に問題があることがわかって治療しました。それでも日中ゴルフをしている最中に突然無気力になったり、睡眠時間は長いのに疲れが取れなかったりしたのです」

原因を探ろうと食品アレルギーを調べるズーマーテストを受けると「とうもろこし、小麦、グルテン、乳製品にアレルギーがあり、それらを食べると血管が炎症することがわかったのです。全部好きなものばかりだったけれど、それを食べなくしたことで炎症が消え脂肪も激減しました」。

気になる飛距離も「それほど落ちていない。むしろ5年前、球が限りなく真っ直ぐに飛んでいた頃に近づいている気がします」。デシャンボーは減量の効果を実感している。

一時期ラウンド中「6杯飲んでいた」プロテインドリンクもいまは「1杯」。「でもラウンド中体力が落ちないように昔お母さんが作ってくれたような質素なお弁当のようなものを持参して食べながらプレーしています」。

増量したのも「科学的考察から」なら、減量も自分の体を科学した上での決断。変わり身の早さも自称マッドサイエンティスト(イカれた科学者)ならではだ。

なにはともあれ再びスポットライトの当たる場所にデシャンボーが戻ってきてくれたのはうれしい。

※2023年5月22日13時46分、一部文章を修正しました。

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