フォローのあとのアゲンストに注意!
コースに吹く風は、ゴルフならではの厄介な要素。ショットの結果に影響を及ぼす以上、ある程度備えておかなければならないものだ。
とくに兼濱が「自分自身、ラウンドではとくに気を付けています」というのは「フォローの風が吹いている状態でショットを打ったあとに、アゲンストの風が吹くホールが続く場合」だ。
「状況が限定的と思われるかもしれませんが、前後のホールが平行に隣り合っていて、来た道を折り返すような順路になっているコースレイアウトは決して珍しくありません。そんなときに前のホールではフォロー、次のホールではアゲンスト、みたいな状況が起こるわけです」(兼濱、以下同)
ではなぜフォローで打ったあとの、アゲンストの風が吹く状況に気を配らなければならないのだろうか。
「フォローの風が吹いていると、ボールが風に押し出されて曲がりづらいし飛んでくれる……要するに気持ち良く振れてしまうんです。いっぽうアゲンストだと向かい風でボールの勢いも落ちますし、スピン量も多くなって曲がりやすいんです」
風が吹く方向が真逆ならボールに与える影響も正反対。だからこそ注意が必要なのだという。
「とくにフォローの風で気持ち良く振ったあとだと、アゲンストでもスウィングが強くなってしまいがちです。そんな状態で何かミスしてしまうと、いつも以上にスピンが増えて曲がり幅も大きくなってしまう、なんてことになりやすいんです」
ではどうするかと言えばシンプルで「フォローの風でも欲張ってガツンと強く振らないことを意識しましょう」と兼濱。
「僕は風が強い日は、フォローであってもアゲンストを打つときに影響が出ないように、なるべく"しっとり"と振るようにしています。一日を通して見たときにスウィングに影響がないように、フォローでも『飛ばしてやろう』と欲張らないんです」
そのうえで、いざアゲンストを打つ際は「ランニングアプローチっぽく打ちます」とのこと。
「アゲンストの風が吹いているときに頑張って振ろうとすると、どうしてもスピン量って増えてしまいがちです。なので打ちたい距離より2番手ぐらい上の番手を短く持って、ボールを右足寄りに置き、ランニングアプローチをするイメージで打ちますね」
スウィング自体を変えるのではなく、番手やグリップ、ボールのセットアップを変えて対応するというわけだ。もちろんランニングアプローチのイメージで打つ以上ある程度転がるので「狙いどころの奥のエリアに、次打でグリーンに寄せることが難しくなる状況がないかチェックする必要はあります」と兼濱。
18ホールのトータルで考えてスウィングが乱れないようフォローでは欲張らず、アゲンストの影響も抑えて振る。風に悩まされた経験のあるゴルファーは、ぜひ参考にしてみてほしい。
協力/学芸大ゴルフスタジオ