航空、海洋、自動車、アウトドアなどGPSを使った計測機の世界的なメーカーであるガーミンからゴルフGPSウォッチ「アプローチS70」が発表されました。その発表会でハーフラウンドし、その後、別のコースで1ラウンドして使用感を確かめて来ました。前作の「アプローチS62」も使用しましたがS62からの大きな進化に、「これぞ最上位モデル!」と感じてしまいました。
ゴルフ用のGPSナビとして使用する上で感じた"進化"のポイントは大きく二つ。AMOLED(有機EL)を採用し、とにかく画面が見やすい点が一つ。もう一つは、計測を含めたすべての動作が早くなってストレスがない点です。屋外の晴れた日差しの中でも画面はとても見やすく、コースレイアウトと距離がバッチリと見えます。
画像Aを見てください。左の画面はグリーンセンターまでの表示を挟んで上下に手前エッジと奥のエッジまでが表示されています。ホールの図からはドッグレッグした様子やバンカーの位置が見て取れます。右の画面では、ワンタッチで高低差を加味した数値が表示されています。
ハザードまでの距離を知りたければタップすれば表示されますし、パー5の3打目を100ヤード残したい場合にも、3点間の距離測定も可能です。ホールマップを拡大することも指一本でできるので使用しながらストレスを感じることはありません。
さらにピン位置シートやカートに設置されているナビを参考にピン位置を設定すれば、より正確な距離が表示されます。ピン位置がセンターにあるホールでレーザー式の距離計と比較してみましたが、まったく同じ数字が表示されました。これには対応する測位衛星の種類が増えたことと、二つの周波数を受信できるようになり測位精度が上がっているようです。(二つの周波数の対応は47ミリモデルのみ)
グリーンの表示画面では旗のマークを動かすことでピン位置を設定できます。ただ数字が表示されないので大まかな位置になってしまいます。センターから+5ヤードとか、エッジから15ヤードなど、旗のマークを動かしながら数字でも表示してくれたら、もっと正確な距離が計測できるだろうな、と感じました。例えば二段グリーンの上に切られたピン位置なら、段の上までは何ヤードなのか?打てる打てないは別として、一応正確な数字を知りたいじゃないですか。
ヤーデージブックさながらのグリーンの傾斜を表示する機能も、月払いや年払いのサブスクにはなりますが申し込めます。「グリーンコンツアー」は、グリーン上の傾斜が色と矢印や等高線で表示され拡大縮小もできます。ここまでくると初めてのコースでもヤーデージブック要らずになりそうです。また、このスマホアプリ上でも傾斜を表示できるので、「グリーンコンツアー」の画面を見ながらツアー中継を見たり試合観戦をすれば、どんなラインのパットになるのか一目瞭然で楽しさも広がりそうです。
スコアの集計やスタッツを蓄積してくれるオートショット機能は、例えばパー4のティーショットを打って2打目地点に向かうと「アプローチS70」がブルブルと振動を送ってくれます。打ったクラブを選び、グリーン上のパット数を入力するとスコアを集計してくれるだけでなく、スマホアプリと連携させるとラウンド中の全ショットが確認できます。
後で編集もできますので正確に入力しておけば、ドライバーのフェアウェイキープ率、パーオン率、パット数やリカバリー率などのデータも蓄積されます。ドライバー、アイアンショット、パットなどどんなショットがストロークを稼いだかストロークゲインドの指標も見ることができますので、スコアアップを目指す上で、得手不得手の距離を知ることは上達の近道になることでしょう。
毎ホール、毎ショットの入力は画面をタッチするだけなので、そこまでのわずらわしさは感じられませんでした。
ケースの大きさは女性でも違和感なく使用できる42ミリ(画像E左)と47ミリ(右)があり、それぞれ重さは44グラムと56グラムとかなり軽量。柔らかいシリコン製のベルトの装着感も快適でした。
ガーミンでは弾道を測定する「アプローチR10」と「アプローチS70」などのGPSウォッチにスマホアプリを連携させることで、練習場からコースまでゴルフというゲームのスコアアップをサポートするシステムが出そろっています。
そうそう、スマートウォッチとしての機能ですが、長時間使用できるバッテリーや光学式心拍計、他のスポーツでの使用やスマホとの連携などぬかりはありません。
ゴルフの楽しみ方は人それぞれ。一昔前ならスコアカードにメモしてご自身でスタッツを集計していたゴルファーも多く見かけました。現在ならスマートウォッチにスマホアプリで楽しむのもアリではないでしょうか。