平田憲聖の自分で考える力
前週はホスト大会の「ミズノオープン」をプレーオフで中島啓太選手を破り、見事に初優勝を飾った平田憲聖選手。「初日の5番ホールでボールを捉えるイメージを変えてから調子が良くなって」とラウンド中に修正する力を発揮し、4日間を戦い抜いたと話します。
火曜日の練習ラウンドについて歩くと、グリーン周りでのアプローチとグリーン上を入念にチェック。ハウスキャディさんに各ショットごとに風向きも必ず聞いていたのが印象的でした。昨年7位タイで終えた宍戸ヒルズCCでどんなプレーを見せてくれるのかとても楽しみです。
持ち球はドローボールですが、ホールやロケーションによってフェードも打ちます。フェードばかりを多用すると悪いクセが出てきてしまうのでドローボールを持ち球にしていると教えてくれました。
落ち着いた口調で自分の言葉で語る平田選手。話を聞いていると考える力がとても高いと感じます。スウィングについては、コーチは付けずに、タイガーやマキロイなど様々なプロを参考にし、技術やマネジメントは、ツアーに参戦できるようになってから、同伴した選手のプレーから学び、吸収してきたといいます。その自分の感覚を大切にしながら磨き上げてきたスウィングを見てみましょう。
スクェアグリップで左腕がクラブと一直線。肩幅が両足の内側に入るスタンス幅で、両つま先をわずかに開いたスタンスといった非常にオーソドックスなアドレスです。左腕とクラブの一直線を保ったまま始動し、体とクラブの運動量が同調しています。背中はターゲット方向よりも右を向き、十分に捻転して、切り返しで左に踏み込む準備ができています。
ダウンスウィングでしっかりと左足を踏み込みながら、上半身と下半身の捻転差を保ったまま切り返すと、右足はベタ足にしてフォローまでしっかりと右足を踏ん張って、もう一押ししています。このような安定した下半身と、優勝争いの中でも崩れない一定のテンポが、安定ショットを生んでいます。
プレーオフで戦った中島啓太選手と同じ22歳。初の海外メジャー「全英オープン」の切符も手にした平田選手のプレーに注目していきましょう。