クラブのバランスを崩すことなく、性能を変えることができる
クラブフィッター小倉です。今回は、パターのシャフトについてです。
皆さんは、パターのシャフトを気にしたことはありますか? ヘッドの形状や性能を気にする方は多くいらっしゃいますが、シャフトを気にしたことがある方は、それほどいないのではないでしょうか。
パターはドライバーやアイアンと違って、大きくしなるようなフルスウィングをしないので、シャフトによって何かが大きく変わるイメージを持ちにくいとは思います。しかし最近は、パター用のシャフトが多く販売されていますし、ツアープロでもカスタムシャフトを装着したモデルを使用している方が増えてきています。そこでパターをリシャフトすると何が変わるのかを簡単にお話ししたいと思います。
カスタム用のパターシャフトには、様々な特性を持つモデルが発売されていますが、主な項目として重量別とフレックス別が用意されています。
重量別は、文字通り異なった重さのシャフトです。パターに最初から装着されているいわゆる純正シャフトは、90gから120gぐらいの間のモデルが多いです。そのシャフトを他の重量のモデルに変えることで、自身のフィーリングに合わせることができます。
カスタムモデルでは主に120gから160gぐらいまで用意されているので、基本的には重くする方向にチューニングする際に活用します。パターは重めの方がゆったりとしたストロークがしやすく、速いグリーンなどに対応しやすくなりますが、ヘッドだけで荷重するとバランスが悪くなりがちです。パーツの真ん中であるシャフトの重量を調整することで、クラブとしての重心、バランスを崩すことなく、シャフトの性能と合わせて振り心地を向上させる効果があります。
フレックス別は、簡単に表現するとしなり具合です。パッティングは他のクラブと比べて、振り幅は小さいですが、シャフトはちゃんとしなっています。そのしなりを任意のモデルに変えることでより自分のストロークにマッチさせ、狙ったところに、狙ったスピードでボールを打ち出しやすくします。フレックス別は、主にカーボンを使用したシャフトに多いです。これは設計自由度が高いからでしょう。パッティングにおけるシャフトのしなりは、同じ振り幅で打った場合、やわらかめのほうが、長く転がりやすい傾向がありますね。
ざっと効能をご説明しましたが、ちょっとわかりづらいと思いますので、私なりのタイプ別おすすめのモデルをまとめてみました。
ミスがショート気味→やわらかめフレックスのモデル
ミスがオーバー気味→かためフレックスのモデル
ストロークテンポがゆっくり→重量が重めのモデル
ストロークテンポがクイック→重量が軽めのモデル
パターのリシャフトは、効能だけでなく、打感などのフィーリング面も向上することが多いです。もちろんヘッドの性能もありますので、一概には言い切れませんが、ヘッドを気に入っているのであれば、リシャフトして性能向上を考えてみるのも良いと思いますよ。