1990年代半ばに一世を風靡した「バーナー・チタン・バブル」。当時のクラシカルなロゴやデザインが親しみやすさとカッコ良さを感じさせます。前作は「300ミニドライバー」として21年にも発売されていましたが、進化した最新モデルが6月23日に発売されます。
PGAツアーではトミー・フリートウッドが投入し話題になっていましたので、無理を言って、発表に合わせて試打させていただきました。ヘッド体積は304CC、長さは43.5インチと、460CCで45.5インチの一般的なドライバーと比べると小さく短くコンパクトです。ロフトは11.5度と13.5度の2種類がラインナップされています。
前作から大きく進化した点は、チタンフェースの素材とソールに2ヵ所あるウェートを入れ替え、弾道を可変できる点です。スタンダードではフェース近くが1.5グラム、後方に13グラムが取り付けられていますが入れ替えるとスピン量は減り、弾道もより強い中弾道に変化します。
ヘッド体積は小さいものの、ツイストフェース、スピードポケット、カーボンクラウン、ネック調整機能などテーラーメイドの特徴を盛り込んだ"全部乗せ"。構えてみると、シャローで投影面積があるので安定感のある形状です。座りの良さとストレートなフェース向きで構えさすさは抜群です。
13.5度のモデルを、通常のドライバーより低めにティーアップして打ってみると、ヘッドスピード43.4m/sでキャリー241ヤード、トータル258ヤードの飛距離でした。5球打った平均で見ると飛距離はほぼ同じでしたが、スピン量が3000rpm前後とドライバーよりも500rpmくらい多い印象です。計測はカメラ式GC4、ボールはタイトリストプロV1を使用しました。
43.5インチの長さなので3Wよりは飛びますが、ドライバーのように飛ぶとは言えません。しかし、なにより一番のメリットは、前後左右のバラつきが小さかった点です。ティーアップした3Wよりも簡単にフェアウェイキープできるはずです。
その理由は三つ、ツイストフェースなどの機能ももちろんありますが、ティーアップが低いので入射角が大きく変化しないこと、ドライバーよりも飛ばないとわかっているので力まずに打てること、3Wよりも大きくフェースも分厚いのでスウィートエリアが広い。この三つが安定した飛距離と方向性を生んだ大きな要因だと思います。
ロフト角13.5度のモデルはティーアップせずに打っても、それなりに球は浮いてくれますが、キャリーでグリーンに着弾したら止まらないかもしれません。直進性か高いので花道からグリーンを狙うことはできそうです。
11.5度のモデルは13.5度に比べると少しつかまらないので、ティーアップを少し高くするかネック調整で1度寝かせるとバッチリでした。こちらは大型ヘッドのドライバーが苦手なゴルファーが、ドライバーを抜いて「BRNRミニドライバー」を入れると、とても良い解決策になるでしょう。
今回試打した日本仕様のモデルにはUSTマミヤの「プロフォース65」が装着されていました。シャフトの硬さを表す振動数を計測してみると244cpmとSフレックスにしてはやわらかめな設定。バランスもややヘッド側が重いD4の設定ですが、適度なしなりが感じられて振りやすく感じます。ヘッドスピード45m/sを越えるゴルファーならカスタムシャフトも視野に入れましょう。
大型ヘッドのドライバーが苦手なら11.5度、ドライバーとは別に狭いホール、短いホール用に使うなら13.5度をオススメします。
3Wの出番は1ラウンドで何回ありますか? 狭いホール、短いホールのティーショットやパー5の2打目といった場面でしょう。ティーショットで3Wを持ってもフェアウェイをキープできる回数は、そう多くない気もします。そう考えるとミニドライバーであればティーショットで積極的に使える場面は多くなりそうです。「BRNRミニドライバー」試打してみてはいかがでしょうか。