緊張する場面でもスムーズにスウィングするためには「始動のきっかけになる動作が重要です」というのは米田貴プロ。米田プロが教えてくれた、プロがやっている“始動のきっかけ”となる動作を、シングルハンディの腕前を持つイラストレーターの野村タケオが実際に試してみた。

プロは始動のきっかけを持っている

みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。ゴルフってプレッシャーとの戦いじゃないっすか。朝イチのティーショットや、狭くてOBが迫っているホールでのショットなんかは、緊張で体が固まったりしますよね。そうなると、どうしてもスムーズに始動ができなくて、ぎこちないスウィングになったりします。

週刊ゴルフダイジェスト6/13号に「実はいちばん難しい始動のスイッチ大事典」という記事がありました。そこではプレッシャーがかかったときでもスムーズに始動するためのきっかけがいくつか紹介されていたので、試してみました。

画像: 週刊ゴルフダイジェスト2023/6/13号で特集されていた、スムーズに始動するコツを実践!

週刊ゴルフダイジェスト2023/6/13号で特集されていた、スムーズに始動するコツを実践!

この記事で解説をしてくれている米田貴プロによると、アドレスで固まってしまうのは、完全に動きを止めてしまうからだそうです。静→動にはエネルギーが必要で、動→動のほうがスムーズに動けるということです。なので、プロは始動のスイッチ(きっかけ)を持っているということなんですね。

スウィングで大切なのは3拍子のテンポだそうで、1が始動のスイッチ、2がバックスウィング、そして3がインパクトとなるのが理想ということです。なので、1の始動のスイッチがとても重要になるんですね。

画像: 始動のスイッチが1、2でバックスウィング、3でインパクト

始動のスイッチが1、2でバックスウィング、3でインパクト

米田プロによると、いくつかある始動のスイッチの中で、いま主流なのが左足に”圧”をかけて、その反動を使ってバックスウィングする方法。これはタイガー・ウッズや松山英樹プロがやっている方法だそうです。この左足に”圧”をかける方法には「腰スライド」と「右ひざ押し込み」の2パターンがあります。どちらも左足を踏むのではなく、左に体重を移動させることで自然に左足の裏で圧をかける感覚。その反動を使ってテークバックするんです。

プロがやってる始動のスイッチ①腰をスライドさせて左足に圧をかける

まずは「腰スライド」をやってみました。腰を少しだけ左に動かして左足に圧をかけるようにして、その反動でテークバックします。これ、たしかにけっこうスムーズにテークバックに移れますね。なかなかいいテンポで動けるような気がします。ただ、左に乗ってから右に乗るので、なんとなく少し下半身が動きすぎてしまう感じがしました。ギッコンバッタンとまでは言わないまでも、少しそんな感覚があります。

画像: 腰を左にスライドし、左足に圧をかけ、その反動でテークバックする

腰を左にスライドし、左足に圧をかけ、その反動でテークバックする

プロがやってる始動のスイッチ➁右ひざを押し込んで左足に圧をかける

次に「右ひざ押し込み」をやりました。これも「腰スライド」に感覚的には似ていますが、こっちのほうが左足への圧が少ないような感じ。その分、ギッコンバッタン感は少ないですね。

この2つに関しては、下半身から動き出せるという意味では良いような気がします。ただ、動きすぎてしまうということも少しあるかも。どちらかというと僕は「右ひざ押し込み」のほうがやりやすかったです。

画像: 右ひざを左に押し込み、その反動でテークバックする

右ひざを左に押し込み、その反動でテークバックする

プロがやってる始動のスイッチ③フォワードプレス

次に、万人向けのオーソドックスな方法という「フォワードプレス」です。これは岡本綾子プロがやっていたそうで、最近ではダスティン・ジョンソンや吉田優利プロがやっているとか。

これはグリップを左に押し込み、その反動でテークバックする動きです。たしかにこの動きは、やっているプロを見たことがありますね。そもそも始動のスイッチはクラブを振り子のように振るために反動を利用するのが自然な動きなのですが、このフォワードプレスは反動そのものなので多くのプロが採用しているとのことです。

画像: こぶし1個分グリップを左に押し込み、その反動でテークバックする

こぶし1個分グリップを左に押し込み、その反動でテークバックする

やってみると、これは個人的にけっこうシックリ来ます。手がスムーズに上がっていく感覚がありますね。手だけでヒョイッとテークバックしてしまうこともなく、すぐにでも取り入れられそうな感じがしました。ただ、クラブを地面にソールしていないと、少し不安定になるような気もします。慣れれば安定するのかもしれませんが。クラブを持たずに左に腕を軽く振って、その反動で右に振り上げる動きをやってみると、フォワードプレスでテークバックする感覚がわかるようです。

画像: クラブを持たずに手を左に軽く振って、その反動で右に振り上げる動きをするとフォワードプレスの感覚がわかりやすい

クラブを持たずに手を左に軽く振って、その反動で右に振り上げる動きをするとフォワードプレスの感覚がわかりやすい

プロがやってる始動のスイッチ④リズミカルに小さく足踏み

次に「足パタパタ」です。これはブライソン・デシャンボーや片山晋呉プロがやっているそうです。やりかたは、左右のかかとを浮かせて、リズミカルに小さく足踏みします。すると右かかとを踏むときに体を右回転させる力が発生するらしいんです。この力を利用してバックスウィングするということなんですね。

やってみましたが、これはなかなか難しかったです。タイミングがうまく合わず、なかなか動き出せませんでした。しかし右かかとを踏むときに右回転させる力が発生するという感覚はわかりますし、うまく始動できたときは、ギッコンバッタンせずに綺麗に回転できました。これができるようになると、かなり良さそうな気がしますが、かなり練習が必要だと思いました。

画像: 左右のかかとをリズミカルに小さく足踏みし、右かかとを踏み込むときに右回転する

左右のかかとをリズミカルに小さく足踏みし、右かかとを踏み込むときに右回転する

プロがやってる始動のスイッチ⑤腰を落とす

最後に「腰落とし」。これはブルックス・ケプカや星野陸也プロがやっている方法だということですが、僕は今までにまったく聞いたことのない方法でした。やりかたは、ムダな力を抜いて、ストンと腰を落としてからテークバックをします。かかとを浮かす感じで軽くジャンプして、着地したときの体勢になるようなイメージだそうです。

これもやってみましたが、僕はまったく無理でした。腰を落としてもテークバックのきっかけにはならないし、「腰落とし」で始動してボールを打っても、ダフリが多くまったく上手く打てません。腰をストンと落とすことで、重心を下げ、余分な力が抜けるという効果があるそうですが、これは僕には合わなかったですね。

画像: 力を抜いて、ストンと腰を落としてからテークバックする

力を抜いて、ストンと腰を落としてからテークバックする

今回いくつかの始動のスイッチを試しましたが、個人的にはフォワードプレスが一番やりやすかったし、ボールを打ってもけっこういい球が出ました。その次が「右ひざ押し込み」ですかね。自分なりの始動のスイッチを持つことで、緊張する場面でもミスショットが減るのであれば、ぜひ取り入れてみたいと思います。

この記事には他にも2つほど始動のスイッチが紹介されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。

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