ゴルフを始めたばかりのビギナーや初心者にとって、スウィングについての疑問は尽きない。埼玉県草加市のゴルフスクール「Tom's Bishon草加店」専属のJJコーチに、ゴルフクラブを握ったこともないビギナーが1時間の体験レッスンを受けに来たとしたら何を教えるのか、詳しく聞いてみた。

握り方はテンフィンガー

ゼロからゴルフを始めるビギナーにとって、ゴルフスウィングは当然右も左もわからないモノ。

そんなビギナーもゴルフスクールで多く指導してきたJJコーチに『仮に一度もゴルフクラブに触れたことのない人が1時間の体験レッスンを受けたとしたら、どんなことを教えてもらえるのか』。そう訊いてみると「ざっくり言うと2つ、細かく言えば2.5個教えておきたいことがありますね」とJJコーチ。

まず使う番手は7~9番のショートアイアン。初めに教えるのは「0.5の部分にあたる、ゴルフクラブの握り方です」という。

「当たり前ですが、クラブを握らなければ振れませんからね。基本的には野球のバットのように10本の指で握る『テンフィンガーグリップ』をやってもらいます。握る際のポイントは手のひら全体で握らず、指の付け根付近を中心に握ることですね」(JJコーチ、以下同)

画像: 使うのは7~9番のショートアイアン。握り方はシンプルなテンフィンガーグリップをオススメしているという

使うのは7~9番のショートアイアン。握り方はシンプルなテンフィンガーグリップをオススメしているという

ゴルフには右手の握り方、左手の握り方がそれぞれあり、その組み合わせによって個性が大きく出る部分でもあるのだが、あえて「細かい部分は逆に伝えない」のだという。

「テンフィンガーグリップなら他の握り方と比べてシンプルなぶん飲み込みも早いです。もちろん握り方によってそれぞれメリット・デメリットはありますが、その差も今まさにゴルフを学び始めた方には判別が難しいです。何ならどの握り方も慣れていないからやりづらいと感じてしまうんですよね。ならば最初は複雑でないほうがいいし、そもそも短い時間のなかでグリップだけに時間を割くのがすごくもったいないので、それこそ説明は1~2分で終わらせますね。細かい説明を省いているから『0.5』というわけです」

姿勢は「く」の字を意識しよう

クラブの握り方を伝えたら、次に教えるのはクラブを構える際の姿勢……アドレスだ。

「とくに、前傾姿勢の作り方ですね。手を伸ばしてクラブを胸の前で構えて、背筋を伸ばしながらクラブヘッドが地面に着くまで上体を前傾させていきます。後方から見たときに『く』の字を作ることを意識してもらいますね。チェックポイントは猫背になっていないか、首が体の前側に下がっていないか、お尻が落ちていないか、などですね。『く』の字を作る段階ではまだひざは伸び切ったままで、しっかり前傾できたらひざを軽く曲げればオッケーです」

画像: 背筋を伸ばしながら「く」の字を作るイメージで上体を前傾させよう。最後にひざを軽く曲がればアドレスの完成だ

背筋を伸ばしながら「く」の字を作るイメージで上体を前傾させよう。最後にひざを軽く曲がればアドレスの完成だ

猫背になっていると体幹が意識できず、クラブを振り上げたときの勢いで体がブレてしまいやすい。首が下がっていると構えた際のバランスが崩れてスウィング中に様々な問題が発生してしまうし、お尻が落ちている状態だと手元の通り道をふさいでしまう。

画像: 猫背になっていたり首が前に出過ぎていたり、お尻が落ちてしまっていると、スウィング中に様々なミスが起きてしまうので注意

猫背になっていたり首が前に出過ぎていたり、お尻が落ちてしまっていると、スウィング中に様々なミスが起きてしまうので注意

このように良い姿勢が作れているかどうかで、スウィングにも大きな影響が出てしまうため、姿勢に関しては教えるのはマストとのこと。

「クラブを振っている最中、その場から動かないための体幹を意識するためにも、姿勢は教える必要がありますね。姿勢が良ければ、もちろん慣れないうちはブレてしまいますが、姿勢が悪い場合より圧倒的にその度合いは軽減されますよ」

「三角形のシルエット」を維持して振ろう

そして最後に教えるのは、クラブを振る際の注意点だ。それはずばり「体の正面側から見たときに、両肩と手元で作られる三角形のシルエットを、地面と水平になるところまで維持した状態で振ること」だという。

画像: 両肩と手元で作られる三角形のシルエットを維持するイメージでハーフスウイングしてみよう

両肩と手元で作られる三角形のシルエットを維持するイメージでハーフスウイングしてみよう

「加えて『ボールに当てるイメージ』というのもざっくりとお伝えします。ゴルフクラブのボールを打つ部分……フェースって平たいですから、真っすぐ縦に振り下ろすのではなく、最終的にはボールの横から叩いたほうが当たりやすいし飛んでくれそうなイメージが湧くと思います。そのイメージを共有したうえで『三角形のシルエットを維持して振り上げていったほうが横から叩きやすい、当たりやすいですよ』とお伝えしますね」

三角形のシルエットをキープすることを意識しながら、腰から腰の振り幅……いわゆるハーフスウィングでスウィングする。「なおかつ補足として、ショートティーでティーアップしてもらいますね」という。

「ショートティーでティーアップするのは、地面から少し浮いているぶんミスしにくくなるからです。単純にボールに当たらないと面白くないのもありますし、ミスしにくいぶん“正しく当たった感覚”もわかりやすくなりますからね。そもそもボールを打てたとしても『今のは正しく当たったのか、ミスヒットだったのか』という判別は経験がないとできないですし、ないからこそ“正解の基準”が欲しくて足を運んでくれたはずですから。もちろん感覚の話なので抽象的にはなってしまいますが、僕の場合は『打ったときの感覚が硬ければしっかり当たっていないです。軽い感覚で打てたら正しく当たっている証拠ですよ』とお伝えしています」

まとめると、番手はショートアイアン。握り方はシンプルなテンフィンガーで、「く」の字をイメージして正しい姿勢を作る。三角形のシルエットをキープしながら、ハーフスウィングでショートティーでティーアップされたボールを打つ。

この一連の流れを「長くても3~40 分くらいで教えて、あとの時間は教えたことを反復して、噛み砕いてもらいます。付きっきりでやるとそれはそれでプレッシャーになってしまうので『教えたことを踏まえて、試しに打ってみましょう』と声をかけて、少し離れたところから見守りますね」とのこと。これだけでも振ってボールが当たるところまでしっかり学べるという。

まさにこれからゴルフを始めようとしている人、あるいは周囲にそんな人がいる経験者も、ぜひ参考にしてみてほしい。

協力/Tom's Bishon草加店

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