“ダボでいいホール”を戦略的に作る
ラウンド中の18ホールは、規定打数や難易度も様々ある。すると、どうしても難しいと感じるホールに出くわすことだろう。
今の自分では難しいと思うホールは「最初から諦めるというか、変に挑戦しないという選択は全然アリ。アリでしかないスポーツですよね、ゴルフは」と兼濱は言う。
「諦めるだとちょっと言い方が悪いですが、戦略的に『打数が多くなることを許容する』のは大事ですよね。まずは、あらかじめコースレイアウトをチェックしておき、自分の中で『ココはちょっと難しいホールだな』とスタート前からアタリを付けておきましょう」(兼濱、以下同)
そのうえで難しいホールは「『ダボで上がるためにはどうしたらいいか』を念頭にプレーしたいですね」と続ける。
「例えば難しいホールを4つピックアップしたとして、その4ホールをダボで乗り切ることができれば8オーバー。残りのホールをボギーでプレーできれば、パー72のコースならスコアは94。余裕を持って100切りができる計算になります」
もちろん難しいホールで少しでも頑張っていいスコアを目指すという選択もあるが、それには大叩きしてしまうリスクも伴う。ならば最初からダボで抑える意識でプレーしよう、というわけだ。
「ダボでいいと考えれば、パー3なら3打、パー5なら5打……規定打数と同じ打数でグリーンオンしたうえで2パットしていいわけですから。戦略的に規定打数を超えるっていうのは全然悪いことではないですよ。難しいホールは打数が多くなる想定をしておけば、そこから逆算してマネジメントも考えられますし、ダボ想定で考えていたホールがボギーで上がれた場合は、実質バーディくらいの価値があるわけで、メンタル的にも楽になります」
どのくらいの難易度なら「ダボでいいホール」なのかは、ゴルファーそれぞれの前提条件……飛距離や技術、得意不得意といった要素で異なってくるので一概には言えない。裏を返せば「ダボでいいホール」を設定するためには、自分が何を苦手としているのかをきちんと認識しておくことも大切だ。
「たとえば過去のラウンドの記録をつけておく、というのはわかりやすいですよね。自覚していなかったとしても、過去の記録を見ればどんなホールを苦手としているのかはぼんやりと見えてくると思いますよ」
協力/学芸大ゴルフスタジオ