梅雨の晴れ間に恵まれた初日、10時30分スタートの山下美夢有選手が、前半5連続バーディを含む6バーディと30で折り返します。5月初旬の「ワールドレディスサロンパスカップ」を7位タイで終えると、2位タイ、優勝、優勝、3位タイ、2位タイとここ6戦で圧倒的な強さを見せつけています。
後半に一つボギーを打ちますが上がり3ホールで2つのバーディを奪い7アンダーの首位に立ちます。ラウンド後の囲み会見では、ショットの調子は良くなかったのですが、結果オーライもありパットが入ったと話し「ショットの調子が良いからといってスコアが出るわけでもない」とパットに助けられた首位発進だったようです。それにしても安定感抜群の山下選手、父の日Vに向けて好スタートを切りました。
注目すべき選手が多い中、今日は4アンダー7位タイで終えた阿部未悠選手について歩きました。2000年生まれの22歳。21年のプロテストに合格し、22年初シード獲得。今季はこれまでトップ10が4回でメルセデスポイントランク15位と初優勝を目指して奮闘しています。
阿部選手は松山英樹選手のマスターズ制覇をサポートした目澤秀憲コーチに師事し、フェードボールに磨きをかけ、予選落ちは序盤の2試合だけと安定感も向上しています。
「今週はコーチも会場に来てくれていて、感覚とやりたいことのズレを修正しながらの割には、いいプレーができたと思います」(阿部未悠)
ラウンド後に話を聞くと、目澤コーチとのセッションが好スタートにつながったようです。ショットやパットだけでなく練習法やトレーニング、試合に向けての気持ちの持っていき方なども話しができていることで、自信を持ってプレーできるようになってきているといいます。初優勝に向けて視界は良好でしょう。
それと今週のキャディを務めるのは、同じく目澤コーチに師事する永井直樹プロで、4月の中日クラウンズにも出場したという現役のツアープロです。目澤コーチのメソッドやエッセンスを学びながら、ツアーでキャディを務めることも自身の学びの場としているそうです。
初タッグを組む阿部選手も「感覚的なことでも話し合いながら、ジャッジできたのですごく楽しかったです」というので、これからプレーヤー目線を持つキャディとして引っ張りだこになるかもしれませんね。
ラウンド後の阿部選手の練習を見ていると何やら変わった器具をつけて練習していました。右手首の使い方を矯正するような器具で、見たところ右手首が手のひら側に曲がらないようにする効果がありそうです。
右手首が手のひら側に折れる「フリップ」という動きが入ると、ダフリや左に飛ぶ原因になりますので、こういった器具を利用すると、右手首の角度をキープした押し込むようなインパクトが体感できそうです。
明日は晴れて今日よりも気温が高くなる予報です。山下美夢有選手に食い下がるのは誰か? マンデーを勝ち上がり5アンダー3位タイで初日を終えた東浩子選手にも期待しています。