岩井明愛が「憧れの先輩」の申ジエにプレーオフ敗退
単独首位で終盤を迎えた明愛は15、16番の連続ボギーで2位に後退。それでも、17番をバーディとして先にホールアウトしていた申に追いついた。
18番パー5で行われたプレーオフでは申がフェアウェイからの3打目をもう少しでイーグルというスーパーショットで1.5メートルにつけたのに対し、ラフから打った明愛はグリーンをオーバー。バーディパットを慎重に沈めた申に軍配が上がった。
敗れた明愛は「悔しいです」と涙した一方で「悩みを聞いてもらったり、頼れる先輩なので、申ジエさんが勝って嬉しい気持ちもあります」。飛ばし屋有利のパー5でのプレーオフだっただけに悔しい結果となってしまった。
今大会はシーズンのほぼ折り返しの時期に迎える国内最高の賞金総額3億円がかかるビッグトーナメント。
今季2勝目にはあと一歩及ばなかったが、成績だけでなく、直ドラや右腕一本での片手アプローチのチップインなど、派手なプレーで、前半戦の主役となっていた明愛が存在感を示した。
今後は千怜とともに「全米女子オープン」(7月6日開幕)に出場予定。姉妹は「海外でも2人で優勝争いがしたい」と声を揃えており、国内での勢いそのままに初のメジャーに乗り込むつもりだ。
"3強"不在で、復調の稲見や好調の佐久間や菅沼らにチャンス到来!?
海外メジャー参戦は山下美夢有も同様で、今週開催の「資生堂レディス」は調整のため欠場。「全米女子オープン」と同じ週の「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」は3人を含めた多くの上位陣が不在となる。
さらに7月末の「エビアン選手権」、8月の「AIG全英女子オープン」と海外メジャーは続く。すでに何度か優勝争いを経験してきた菅沼菜々、安田祐香、佐久間朱莉らにとっては、この時期が初優勝に向けた絶好のチャンスとなりそうだ。
さらに注目されるのは稲見萌寧。今季は不振が続いていたが、今大会では3月以来のトップ10入りとなる10位タイに食い込んだ。月曜日に新たなコーチの指導を受けたことをきっかけにショットの状態が急上昇。2021年には年間8勝を挙げており、このまま完全復活なら山下らの争いに十分に割って入れるはずだ。
国内3強の海外メジャーでの活躍に期待がかかるのはもちろん、その間に国内では誰が主役の座を奪うのか、後半戦を占う意味でも目が離せない戦いが続く。
※2023年6月26日21時28分原稿を一部修正しました。