国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」最終日、岩井明愛は通算13アンダーで並んだ申ジエとのプレーオフに敗れ、今季2勝目はならなかった。明愛とともに今季前半戦をリードしてきた妹の千怜、女王・山下美夢有はともに10位タイで、今週も揃ってトップ10入り。今後は海外メジャー参戦で、“3強”が国内ツアーを欠場する機会が増えるだけに、そのチャンスを誰が生かすのかにも注目が集まりそうだ。
画像: アース・モンダミンカップで、申ジエとのプレーオフで惜敗した岩井明愛(撮影/有原裕晶)

アース・モンダミンカップで、申ジエとのプレーオフで惜敗した岩井明愛(撮影/有原裕晶)

岩井明愛が「憧れの先輩」の申ジエにプレーオフ敗退

単独首位で終盤を迎えた明愛は15、16番の連続ボギーで2位に後退。それでも、17番をバーディとして先にホールアウトしていた申に追いついた。

18番パー5で行われたプレーオフでは申がフェアウェイからの3打目をもう少しでイーグルというスーパーショットで1.5メートルにつけたのに対し、ラフから打った明愛はグリーンをオーバー。バーディパットを慎重に沈めた申に軍配が上がった。

敗れた明愛は「悔しいです」と涙した一方で「悩みを聞いてもらったり、頼れる先輩なので、申ジエさんが勝って嬉しい気持ちもあります」。飛ばし屋有利のパー5でのプレーオフだっただけに悔しい結果となってしまった。

今大会はシーズンのほぼ折り返しの時期に迎える国内最高の賞金総額3億円がかかるビッグトーナメント。

今季2勝目にはあと一歩及ばなかったが、成績だけでなく、直ドラや右腕一本での片手アプローチのチップインなど、派手なプレーで、前半戦の主役となっていた明愛が存在感を示した。

今後は千怜とともに「全米女子オープン」(7月6日開幕)に出場予定。姉妹は「海外でも2人で優勝争いがしたい」と声を揃えており、国内での勢いそのままに初のメジャーに乗り込むつもりだ。

"3強"不在で、復調の稲見や好調の佐久間や菅沼らにチャンス到来!?

画像: 1週前のニチレイレディスでは山下美夢有(左)と岩井千怜と岩井明愛(右)が最終組で優勝争いを演じ、山下が優勝.(撮影/大澤進二)

1週前のニチレイレディスでは山下美夢有(左)と岩井千怜と岩井明愛(右)が最終組で優勝争いを演じ、山下が優勝.(撮影/大澤進二)

海外メジャー参戦は山下美夢有も同様で、今週開催の「資生堂レディス」は調整のため欠場。「全米女子オープン」と同じ週の「ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ」は3人を含めた多くの上位陣が不在となる。

さらに7月末の「エビアン選手権」、8月の「AIG全英女子オープン」と海外メジャーは続く。すでに何度か優勝争いを経験してきた菅沼菜々、安田祐香、佐久間朱莉らにとっては、この時期が初優勝に向けた絶好のチャンスとなりそうだ。

さらに注目されるのは稲見萌寧。今季は不振が続いていたが、今大会では3月以来のトップ10入りとなる10位タイに食い込んだ。月曜日に新たなコーチの指導を受けたことをきっかけにショットの状態が急上昇。2021年には年間8勝を挙げており、このまま完全復活なら山下らの争いに十分に割って入れるはずだ。

国内3強の海外メジャーでの活躍に期待がかかるのはもちろん、その間に国内では誰が主役の座を奪うのか、後半戦を占う意味でも目が離せない戦いが続く。

※2023年6月26日21時28分原稿を一部修正しました。

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