軽量シャフトのパイオニアとして2014年に発売されたフジクラ「AIR SPEEDER」(エアースピーダー)。AIRのネーミング通りの軽さとスピーダーらしいスピード感のある「超軽量シャフト」としてシニアゴルファーや女性ゴルファーの間で人気になり超軽量シャフトの代名詞として支持されてきました。
「AIR SPEEDER IRON」(エアースピーダー アイアン)はドライバー同様「STANDARD」、「PLUS」、「X-PLUS」の3種類のフレックスにホワイトとブラックの2種類のカラーがあります。
まずは「STANDARD」から打ってみました。最も軽く、軟らかいフレックスです。シャフト重量は
38.5gでトルクは4.7。テストクラブの7番アイアンのシャフト振動数は236cpm。
ワッグルした感じからしなやかな動きで軟らかく感じます。打ってみるとワッグルした時に感じたしなりよりも動きが抑えられていますので、軟らかさが意外と気にならずに打つことができます。
重さ39グラムと初代モデルと重量はほぼ変わっていませんが、打ったフィーリングは「STANDARD」の方がしっかりとした印象です。しなり感と潰れ感のバランスが絶妙で、想像以上にスウィングスピードを上げても打っていけます。低重心設計のストロングロフトのアイアンに装着しても弾道は高く、ボールの上がりにくさを感じることはないと思います。
先端部分の剛性感はこのシャフトを使うターゲットをイメージして設計されているので、硬すぎることもなく、頼りなさも感じもない絶妙な設計になっていますので、インパクトではしっかりと打ち込んでも大丈夫です。
ヘッドスピードが落ちてきてフィニッシュまで振り抜けなくなってきた方やシャフトのしなりがうまく使えない方にオススメのシャフトです。女性ゴルファーにも良いと思います。
自然に飛距離もアップする要素がつまったフレックスですね。
次に検証したのは「AIRSPEEDER PLUS」、シャフト重量は42.5グラムでトルクは4.3です。テストクラブの7番アイアンのシャフト振動数は247cpm。
前作にも「PLUS」のモデルは存在していましたが、しっとりしたフィーリングは前作同様のイメージです。しなりもあってフィニッシュまで振り抜きやすいシャフトですね。前作と比較するとレスポンスが良くなっています。自然なしなりでインパクトエリアにシャフト先端部分を戻しやすく、心地よい動きでボールをしっかりととらえてくれます。
打ち出しは「STANDARD」同様に高さしがっかりと出ますのでボールの上がりにくさで悩んでいる方にも心配ないでしょう。タイミングが取りやく、しなりをうまく使えない方にも振るだけで自然なシャフトのしなりを使うことができるでしょう。
とくに50~70グラム台のカーボンシャフトをお使いのスウィンガータイプの方で最近アイアンが振り切りにくく感じてきた方、飛距離が落ちてきたという方に試して欲しいですね。キャリーが出るようになって自然と飛距離もアップすると思います。
最後に検証したのは「AIRSPEEDER アイアン」で一番硬めの設定の「XPLUS」です。シャフト重量が45グラムでトルクは4.0、テストクラブの7番アイアンのシャフト振動数は257cpm。
打ってみるとイメージになかった面白いフレックスですね。単に「STANDARD」と「PLUS」の上のポジションというより、違う味付けのシャフトの様に感じます。スウィング中でも40グラム台の軽量アイアンシャフトとは思えないほどの重量感も感じられるシャフトです。ヘッドのポジションも感じやすいですね。
シャフト自体もしっかりしていて、切れの良いレスポンスが印象的なシャフトです。切り返しの反応が良いので、振っていて心地よさがありますね。肉厚の薄い軽量シャフトにみられる潰れ感がありません。テンポが早めの方でもシャフトの動きがしっかりとついてきてくれます。
先端部分もイメージよりしっかりとしているので、インパクトで打ち込んでも手応えはしっかりしていて、嫌な振動も感じませんので、アイアンで打ち込むタイプの方が使っても頼りない感じはないでしょう。40グラム台のシャフト重量から判断できないパフォーマンスを持ったシャフトです。
軽量=頼りないというイメージはまったくなく、新感覚の軽量アイアンシャフトとして今までの概念を覆してくれるシャフトだと思います。自身のゴルフに新たな発見を与えてくれるフレックスだと思います。これはぜひ試してみて欲しいシャフトですね。
最後に「AIRSPEEDER IRON」の装着時のポイントですが、仕上がり時のクラブバランスに注意して下さい。特に低重心設計のストロングロフトのヘッドに装着する場合は重いバランスにしないこと。超軽量アイアンシャフトですので、スチールシャフト装着時と同じバランスになるとシャフトの動きに変化(特に先端部分)が出て本来のパフォーマンスが出にくくなりますので注意が必要です。
振りやすいバランスは人それぞれあるとも思いますので、リシャフトの際は取り扱い店の人と相談の上、最適バランスになるように行って下さい。