女子プロゴルファー、三浦桃香が約3年ぶりに試合に出場し、ひさしぶりにプレーぶりをファンに披露した。現地取材したゴルフトレンドウォッチャー、コヤマカズヒロがその模様をレポート。

出場したのは、愛知県の平尾カントリークラブで行われたTWGT(Thanks Women’s Golf Tour)。

選手自身がサポーターを集めることで出場できるというユニークな試合形式で、すでに9回目を数える。参戦した選手がプロテストに合格したケースもあり、このカテゴリーの選手にとっては試合経験を積む貴重な機会となっている。

ジュニア時代から黄金世代の有力選手として注目されていた三浦は、2018年シーズンに単年登録でレギュラーツアーに参戦すると、4戦目のアクサレディスで優勝争いの末に10位になるなど活躍。成績もさることながら、トップクラスの飛距離と明るいプレースタイルで、同世代の中でもひと際スター性を感じる選手だった。

しかし、紫外線アレルギーによる体調不良やプロテスト合格者のみがQTに出場できるという制度改定の影響で、女子ツアーは2019年のスタンレーレディス(13位タイ)が最後の出場となっている。

2020年にAbemaツアー、ディライトワークスチャレンジに参戦し、それ以降は競技からは撤退したかたちとなっていた。

ツアー撤退後はティーチングプロ資格取得を目指し、昨年12月に無事合格。晴れてJLPGA会員となった。実技講習では「65」でラウンドするなど、その腕前は健在で、現在は、レッスンを中心にメディアなどで活躍している。

今回の競技復帰の動機を聞いたところ、「レッスンを受けていただいているお客様から、また試合でプレーしているところを見たいという声をたくさんいただいたことが理由です。普段のラウンドでも60台半ばとか、ハーフで「30」とか良いスコアが出ることが結構あって(笑) 試合出てみようかなという気持ちになれました」。

とはいえ、試合でプレーする感覚は、プライベートやレッスンでのラウンドとはまた違うはずだ。長いブランクが少なからず影響するのではないかと思われた。

しかし、三浦は序盤こそ淡々としたプレーぶりだったが、徐々にペースを掴んできたのか、9番のバーディを皮切りに、10番、そして12番13番で連続バーティを奪い、その時点でトップに躍り出た。

屈託のないキャラクターはやはり天性のもので、アグレッシブなプレーと合いまって、このカテゴリーでは別格の存在感を感じさせる。トーナメント参戦時から、非常に華のある選手だったが、その雰囲気は今も失われてはいない。

最終的には、2アンダーの「70」で5位タイフィニッシュ。飛距離が出て、正確性の高いドライバーショットは健在で、アイアンショットやウェッジワークも上手い。ビシッと厚みのある打音は、紛れもなくツアー選手のクオリティを感じさせた。

自身は、レッスン活動が自分のプレーにも活きたという。

「普段、レッスンを受けている方に、どうやったらわかりやすく説明できるかなということを考えてるので、それを自分のプレーにも当てはめてみました。自分を客観的に見れたことで、修正力が上がった感じがします」(三浦)

ラウンド後は、サインや写真撮影などサポーターとの交流があり、三浦には長い列が出来ていたがそのひとりひとりに丁寧に対応していた。トーナメント参戦時でもファンサービスは努めて積極的に行っていたという。

今年のQTはすでに不参加を表明しており、ツアーへの復帰は考えていないらしい。次回の試合出場も今のところ未定だという。

レッスンを中心に、現在の活動が充実しているようだが、選手としてもこれだけの実力と魅力を備えているだけに、さすがに少し惜しいと感じる。

何らかのかたちで、また試合で躍動する姿を見せてほしいものだ。

画像: 試合後、笑顔でインタビューに答える三浦桃香。豪快で正確なドライバーショット、スター性は健在だ

試合後、笑顔でインタビューに答える三浦桃香。豪快で正確なドライバーショット、スター性は健在だ

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