まずは一つの番手のスウィングを感覚として落とし込む
ゴルフは最大14本のクラブを使って行うスポーツ。とはいえビギナーにとっては、長さや形状の異なるすべての番手を扱うのは至難の業だ。
JJコーチは「もちろん最終的には満遍なく触る必要がありますが」と前置きしたうえで「ある程度スウィングの基礎を学んだ状態のビギナーの方でも、まずは各番手を満遍なく触るのではなく、練習する番手を絞ったほうがいいと思います」と言う。
「もちろん各番手でスウィング自体が大幅に変わるわけではなく、基礎的な部分は共通です。とはいえ番手を変えれば当然形状や長さも違いますから、スウィングした際の感覚も変わるわけです。自分の中でまだ『このクラブはこう振るのが正解なんだ』ということが感覚的に分かっていない段階で、扱う番手がその都度変わってしまうと、しっかり感覚として落とし込むことができなくなってしまいますよ」(JJコーチ、以下同)
「感覚」と言葉にするとあいまいな言い方に感じるかもしれないが、要は一つのクラブを扱えるようになるためには、感覚的に扱えるようになるくらい反復して練習する必要があるということ。ゴルフクラブという道具自体が特殊である以上、慣れるのにも相応の時間を要するわけだ。
こういった反復練習をおろそかにして、気分で5球や10球ごとに番手をとっかえひっかえしてしまうと「身に付くものも身に付かないです」とJJコーチ。
「『上手くいった』と思っても次のショットが全然ダメだった、なんて経験をしたゴルファーは少なくないはずです。最終的に満遍なく番手を使えるように練習しますが、感覚として落とし込むまでは同じ番手をずっとやり、ある程度『上手くいった』が連続して『こう打てばいいんだ』と感覚的にわかったら、次の番手に進む。一つずつ段階を踏んで覚えていくのがいいでしょう」
スウィング中のクラブや体の動きを感覚的に覚えること自体がそもそも難しいのだが、前述したようにゴルフクラブ自体が日常生活にまずない特殊な道具なのだから、慣れるのに近道はないというわけだ。
「満遍なく各番手を練習するのはクラブを振る感覚を落とし込めたときと、あとはラウンドが近い場合くらいでしょうか。ビギナーの方はラウンド中に使う番手も実際のところは限られてきますから、ドライバー、ショートアイアン、ウェッジ、パターに絞って練習してみてください」
協力/Tom's Bishon草加店