グリーン周りのアプローチ。プロのようにスピンがかかったボールでカップに寄せたい! そう考えるアマチュアは多い。だが、思うようにスピンがかからないのが現状だろう。アプローチでスピンをかけるにはどうすればいいのか? 数多くの試打企画を担当してきたギアのスペシャリスト、堀越良和プロに聞いてみた。

「クラブ選び」と「打ち方」でスピン量は増やせる

画像: 「20Yのアプローチでアマチュアのスピン量を計測したところ、スピンがかかるのですが、プロに比べて、その量が少ない。クラブ選びと打ち方でスピン量を増やす方法を考えました」(堀越プロ)

「20Yのアプローチでアマチュアのスピン量を計測したところ、スピンがかかるのですが、プロに比べて、その量が少ない。クラブ選びと打ち方でスピン量を増やす方法を考えました」(堀越プロ)

堀越プロはこう語る。

「20~40Yのアプローチは、アマチュアが苦手なショットの代表といえます。以前、アマチュアのアプローチをデータ計測したところ、ほとんどの方はスピン量が3000回転台でした。一方、プロは5000回転以上スピンがかかります。ボールを止めたいのであれば、この差は大きいです」

そもそもアプローチでスピンは必要なのだろうか? ピッチ&ランでボールをコロコロと転がせばいいのではないか? 

「アプローチは狙った場所にボールを止めるショットです。ランが長くなれば、当然、距離の計算は難しくなります。だからこそ、ボールを止めたいわけです。では、ボールをどうやって止めるのか?方法は2つ。落下角度を増やすか、スピン量を増やすかです。

ロブショットのようにボールを高く上げれば、落下角度は得られますが、非常に難しいショットになります。そうなると残る方法は、スピン量を増やすことになるのです。では、特別な技術が必要なのか? というとそうでもないのです」

スピンのかかったボールはアマチュアでも打てる、という堀越プロはこう説明する。

「まずはクラブ選びです。スピンがかかりやすいウェッジがあるんです。クラブの機能を上手に活用すれば、スピン量を増やすことは難しくありません。また打ち方にもポイントがあります。スピンがかかりやすい打ち方を学べば、プロのようにスピンのかかったボールだって簡単に打てますよ」

ハイバウンスを使うのが最も簡単で効率がいい

スピン量を増やすにはクラブ選びが大事です、と堀越プロ。詳しく教えてもらおう。

「スピン量に影響するものは3つあります。まずはロフト角です。ドライバーはスピン量が少なく、ウェッジはスピン量が多い。ですからロフト角が大きいほど、スピン量は増えるわけです。これはフェース面に食いつくボールの接地時間によるものです。インパクトは一瞬ですが、ロフト角が大きいほど、接地時間が長くなり、スピン量が増えるのです。

この食いつきという部分では、フェースの溝加工もスピン量に大きく影響しています。当然、古いモデルより新しいモデルのほうが、スピン量は増えるといえます。使い慣れたクラブがいいというアマチュアもいますが、ウェッジに関しては新品ほど、スピンはかかります。プロでも練習は古いモデルを使い、本番になると溝が残った試合用のウェッジを使っているものです。

そして最も大切なのが3つめのバウンス角です。ここを見落としているアマチュアは多いです。バウンス角が大きいほど、スピン量は増えるんです」

バウンス角はウェッジの特徴的な機能のひとつだ。簡単にいえば、ソールの出っ張りとなるが、この出っ張り具合が大きいものがハイバウンス、小さいものがローバウンスとなる。バウンス角はスピンにどう影響しているのか?

「バウンスはバンカーショットでヘッドが砂に潜らないためのもの、と認識しているアマチュアは多いでしょう。実は芝からのショットでもヘッドが沈まないようにしてくれる効果があるのです。ヘッドは沈めば沈むほど、打点が上めになります。その結果、フェースの上っ面で打つことになり、スピンがかからなくなるのです。

ウェッジは芯の下でボールをとらえるほど、スピン量が増えます。これはギア効果が働くからです。逆に芯の上に当たるとスピンは減ってしまうのです。この打点を安定させるのが、バウンスの大きな役目でもあるんです」

実際、同じロフトのウェッジを使い、バウンス違いで試打したところ、スピン量に大きな差が出たのだ。タイトリスト・ボーケイSM9のロフト58度のウェッジでバウンス4度、8度、1 2 度の3 モデルを堀越プロが試打( 距離20Y想定)。バウンス4度(Tグラインド)→スピン量4662rpm、バウンス8度(Mグラインド)→5055rpm、バウンス12度(Dグラインド)→5621rpmという結果に。ローバウンスとハイバウンスで950回転以上の違いが出たのだ。「予想以上にスピン量の差が大きく出ました。人工芝の練習場でもヘッドは沈むため、打点の影響が大きく表れたのでしょう」と堀越プロは分析してくれた。

「スピン量を増やしたいならハイバウンスのウェッジを使うのが最も簡単で効率がいいです。バウンスが足りないと感じるなら、フェースを開くことでバウンス角を増やすことができますよ」

"シャフト垂直インパクト"でスピンがかかる球を打とう

画像: バウンスを最大限に生かすには、ハンドファーストにしないこと、と力説する堀越プロ。シャフトは垂直、ボール位置は体の真ん中、そして左つま先を少し開いた、プロのアドレスを参考にしよう

バウンスを最大限に生かすには、ハンドファーストにしないこと、と力説する堀越プロ。シャフトは垂直、ボール位置は体の真ん中、そして左つま先を少し開いた、プロのアドレスを参考にしよう

バウンスを生かせば、スピン量は増やせると堀越プロ。さらにスピン量が増える打ち方についても教えてくれた。

「まずはハンドファーストにしないことです。ハンドファーストにするほど、バウンス角が消えてしまうからです。基本はシャフトが垂直です。シャフトが垂直になるアドレスを身につけましょう」

堀越プロのアドレスを見れば、その違いは一目瞭然だ。このアドレスが作れれば、バウンスを生かした打ち方が可能になる。

またアマチュアはザックリやトップのミスが怖いため、ボールを右寄りに置く傾向がある。ボール位置についても体の真下が最適で、さらにボールの中心ではなく、打球面(アドレスから見てボールの右側面)がセンターにくるのが理想だと堀越プロ。

では、実際に打つとき、どこに注意すればいいのだろうか?

「ウェッジはソールが地面に先に接地し、その後、フェースがボールにヒットします。つまりソールが先に接地するものなのです。ソールが接地すれば、バウンスの効果が得られますからスピン量を増やせる、ということです。ですからアドレスと同じように、シャフトが垂直な状態でインパクトを迎えることがポイントです」

ここを勘違いしているアマチュアは多い。アプローチはダフリたくない、クリーンに当てたい。そういう意識が強いとハンドファーストが強くなり、ソールを接地させることができないのだ。

「シャフトが垂直なアドレスを作ったら、フェースの開閉(ローテーション)を積極的に使い、円く振るイメージを持ちましょう。フェースを閉じて上げるとハンドファーストのインパクトになりやすい( 鋭角な軌道)。一方、フェースの開閉を使えば、入射角が緩やかになり、インパクトでソールから接地させやすくなります。
打つときは左足重心を意識する。体軸が右に傾くほど、最下点が右にズレますから。頭の位置さえ変わらなければ、アドレスと同じシャフトが垂直なインパクトができます。たとえば、すくい打ちはアマチュアがよくやるミスの典型。頭が右に動くと最下点が右に動き、ザックリが起きやすい。また脚を使った打ち方も頭が動きやすいので要注意です。結局、下半身を使いすぎると頭が左右に動いてしまうので、上半身を回すといいです。ソールから接地するように振れれば、スピン量は間違いなく増えるはずです」

画像: アマチュアに多いのがフェースがボールに先に当たり、その後、ソールと地面が接地するパターン(右)。これはアイアンの打ち方だ。ウェッジはソールが先に接地し、その後、インパクトを迎えるのが正解(左)

アマチュアに多いのがフェースがボールに先に当たり、その後、ソールと地面が接地するパターン(右)。これはアイアンの打ち方だ。ウェッジはソールが先に接地し、その後、インパクトを迎えるのが正解(左)

PHOTO/Tadashi Anezaki THANKS/クレアゴルフフィールド

※週刊ゴルフダイジェスト2023年7月4日号「スピン量を増やすカギはハイバウンスと垂直インパクト」より

※2023年7月7日23時52分、一部文章を修正しました。

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