「(パッティングの)タッチが弱くて手前で切れる場面が多かった」(畑岡)
同組のアリソン・コーパスが短いウィニングパットを沈め、ツアー初優勝を最高峰の全米女子オープンで優勝を決めたシーンを畑岡はその瞳に刻みつけた。こみ上げる悔しさ。巻き戻せるなら4つのボギーを叩いたバック9をやり直したかっただろう。
「昨日との違いはパッティング。(ラインの)読みは合っていたと思いますがタッチが弱くて手前で切れる場面が多かった」。畑岡は淡々と敗戦を振り返り「アリソンが(目の前で優勝)パットを決めた悔しさを忘れずこれからにつなげていきたい」と前を向いた。
2年前の全米オープンでは最終日に笹生に追いついてプレーオフに進出したが、メジャーでトップに立って最終日を迎えたのは初。追われる立場の「プレッシャーもあり攻め切れずスコアを伸ばせなかった」。しかし追う立場、追われる立場、両方を経験したことで次のチャンスには必ず勝ちきってくれると信じたい。
ここ2年で2倍になった賞金は優勝が200万ドル(約2億8500万円)。逃した魚は大きいが4位タイの畑岡にもおよそ7千万円が支給された。
さらに古江は今回の6位タイでシーズンを通したポイントランク4位から2位に浮上。そして元世界ナンバー1で現在国内ツアーを主戦場に戦う申ジエが2位タイに食い込み改めて存在感を見せつけた。
日本勢は22名中半数の11名が決勝ラウンドに進出。予選ラウンドを47位でクリアした木下彩が決勝ラウンドで好スコアをマークし昨年の覇者ミンジー・リーらと並び13位タイでフィニッシュし、国内ツアーの優勝賞金並みの2千万円以上を稼いだ。
注目の全米女子アマチャンピオン馬場咲希は予選落ち。期待の渋野日向子も初日83を叩くなど乱れ134位タイで決勝ラウンド進出を逃した。
それにしてもアメリカのナショナルオープンで畑岡が着用していたユニオンジャック(英国の国旗)のモチーフを全体にあしらったトップスに違和感を感じたのは私だけだろうか。契約先のアドミラルが英国のブランドだというのはわかるがもう少しイングランド色を薄めたウェアのほうが全米女子オープンには相応しかったような気がするのだが。
かつては日本勢にとってメジャータイトルは遠かった。しかし今回その距離がぐっと縮まったことを感じさせる大会となった。