ヘッドスピード40m/sのプレーヤーをメインターゲットにしたプロギア「LSドライバー」と「LSドライバープロトタイプ」の2モデル。みんなのゴルフダイジェスト編集部員プロゴルファー・中村修が試打したインプレッションをお届け。

商品名のLSの意味は「Launch&Spin」(打ち出し&スピン量)と銘打つ通り、打ち出し角を高くしスピン量を抑えることで最大のキャリーとランを引き出すコンセプトです。ルール内ぎりぎりの反発性能とフェース周辺は個体差の少ないCNC削り出しの製法を採用し、重心を思い切り下げ、重心よりも打点を上にすることで低スピンを実現させたモデルです。

画像: プロギアの新ドライバー「LSドライバー」(左)と「LSドライバー プロトタイプ ワンクローバー」(右)

プロギアの新ドライバー「LSドライバー」(左)と「LSドライバー プロトタイプ ワンクローバー」(右)

試打は浜松町ゴルフ俱楽部でカメラ式のGC4を使いボールはタイトリストV1を使用しました。

「プロトタイプ ワンクローバー」はロフトを立てライ角をフラットに設定してつかまりすぎを防止

スタンダードモデルの「LSドライバー」に対してプロトタイプは0.5度ストロングロフトで、ライ角は1.5度フラットになっています。“超低重心に設計した高弾道ロースピンモデル”という触れ込みで500本限定のモデルとなっています。

画像: 「LSドライバー プロトタイプ ワンクローバー」はつかまり過ぎない性格を持たせることでスタンダードモデルとの差別化は明確

「LSドライバー プロトタイプ ワンクローバー」はつかまり過ぎない性格を持たせることでスタンダードモデルとの差別化は明確

アドレスした感じはスタンダードなロフト10.5度。ロフトはかなりあるように見えますが、フェースは左を向いておらず、どちらかといえばオープンに見える。どう置いてもフェースが被っては見えません。ヒール側のアゴがちょっと出て見えるのも特徴。洋梨型のヘッドで左に行きにくい460ccといった印象です。

打ってみたところ、ロフトが立っている以上にスピン量が少なく、1800rpmという数字さえ出ました。目を疑いたくなる数字ですが、それでも打球は上がっている。打っていくうちにスピン量が増えることはあっても、おしなべて低スピンといえます。少しくらいカット軌道で打ってみてもスピン量はそれほど多くなりません。

そして球が引っかからない。いい換えれば、絶対といっていいほどつかまりすぎがありません。これは間違いなくロフトとライ角の設定によるもの。なぜフラットにしたかといえば、スタンダードモデルのLSだとつかまりすぎる人がいるから。

たまにつかまって左に突き抜けるスライサーにもってこい

逆にインサイド・アウトの強い人が打つとスピンが足りずにドロップするかもしれませんから、やはりアウトサイド・インのゴルファーに向く。曲がりが少なくスピン量も少ないので真っすぐ飛んでくれます。アウトサイド・インが強くヘッドスピードが速い人が打っても左に行かないところが、スタンダードモデルとの大きな違いでしょう。

ただ、ある程度ヘッドスピードは必要です。シャフトは全体でよくしなってくれるので、スピード感があるというよりは、しなりでタイミングをとってくれるタイプ。走る感じは少ないので、先端が先に来すぎて左に行くこともなく、ヘッドが返りすぎて左に行くこともない。フェースはすごく弾き感があるので初速はそれなりに出ます。

「LSドライバー」はフェースが自分寄りに来ている感じで集中しやすい

謳い文句は“ランチ&スピン”。メインターゲットはヘッドスピード40m/s前後のプレーヤーで、打ち出し角を上げつつスピン量は抑える方向に設定し、ビッグキャリー&ロングドライブを実現するというコンセプトです。

画像: 「LSドライバー」(スタンダードモデル)はヘッドスピード40m/sのプレーヤーが低スピン・高弾道で飛ばせるモデルに仕上がっている

「LSドライバー」(スタンダードモデル)はヘッドスピード40m/sのプレーヤーが低スピン・高弾道で飛ばせるモデルに仕上がっている

ソールしてみるととても構えやすい。クラウン部に何気なく入った“LS”のロゴマークがフェース向きを合わせる際にいい目印になります。フェースが開くことなく、地面にポンと置くだけでヘッドが安定する座りの良さも好印象。見た目は丸みを帯びて安心感があるのに加え、フェースのセンターとヘッド後方の丸みの頂点が一致しているので方向性も合わせやすい。

フェース面がネック寄りに見えるということは、重心距離をあまり長くしていないと考えられます。その分ヘッドがターンしやすいと想像できる。ヘッドの後方ソール部を下げた構造を導入して低重心化も図っているようなので、やや上めに当たってスピン量が減っても打ち出し角は上がるでしょう。

スピン量が少なめでもボールが上がってキャリーを確保できる

打ってみると、やはりヘッドスピードが42~43m/sだとちょっと速すぎるようで、スピン量が増えて打球が安定しません。そこでヘッドスピードを抑える方向で打ってみると明らかにスピン量が減りました(1934rpm)。それでも打ち出し角はしっかり保たれて15.1度。キャリー222ヤードで総飛距離は247ヤードですから、このヘッドスピードにしては間違いなく飛んでいます。シャフトはスピーダーNXの専用モデルで、しなり戻りのスピードがあるタイプ。これも飛距離アップに一役買っているようですね。

打感については弾き感があります。フェースは反発性の高い独自加工のミルドカップフェースでフェースセンターが大きくたわむ構造になっています。これまでは「速く振らないと飛ばない」と常識のように言われてきましたが、このクラブに限ってはそんなことはありません。強振することなく飛ばせるのは、多くのアマチュアゴルファーにとって福音になる。オートマチック感が欲しいゴルファーは打ってみる価値があります。

こう見てくると、両モデルともにスライス対策傾向のクラブですが、スタンダードモデルの「LSドライバー」なら持ち球がドロー系の人でも右にスッポ抜けないので安心して右に打ち出せます。一方、「プロトタイプ ワンクローバー」はヒッカケが致命傷になる人にいい。たまに左に真っすぐ突き抜けてOBになる人も安心して打てると思います。

This article is a sponsored article by
''.