マットブラックの外観は多くのプロの意見を取り入れてデザインされたシンプルなもので、アドレス時に目に入るロゴは全て真裏に配したデザインを採用しています。前回の「85」、 「95」に続き今回は「105」、「115」を検証したいと思います。
「105・S」から打ってみました。重量級スチールシャフトを使用しているアスリートゴルファーが「TRAVIL」を選ぶ際の基本スペックがこの「105・S」だと思います。シャフト振動数は304cpmで打ち応えのあるしっかりしたシャフトです。「TRAVIL」の特長でもある切り返しのしやすさがあり、ヘッドのポジションも感じられインパクトまでのイメージもしやすく入射角も安定します。
ツアープレーヤー用に設計されたシャフトですので楽に振りやすいというわけではありませんが、重量級スチールシャフトユーザーなら問題なく使えるスペックですので弾道の高さもしっかり出せるでしょう。
次は「105・X」です。「105・S」を打ってシャフトのしなりが気になるという方には良いかもしれません。振動数は314cpmで締まった印象、シャフトに余分な動きがないので気持ち良く振っていけるフレックスです。しっかりと打ち込むインパクトをイメージしたい方に良いと思います。左へのミスも出にくく、弾道安定性も高くなるでしょう。ターゲットに対してしっかりとラインが出せ、方向安定性も感じると思います。
ただしハードスペックですので打ち出し角度に注意して下さい。ボールが上がりきらないと「TRAVIL」の特長である「落下角」が適正にならない可能性があります。ボールさえ上がればスピンの効いた止まるボールが体感できるでしょう。
「115・S」は手元側の剛性が高くなり、先端部分の剛性も高くしっかりした硬さを持ったフレックスです。振動数は311cpmですが、パワーヒッターならタメが作りやすく感じられるでしょう。パワーがあればヘッドスピードが速くなくてもしっかり切り返せてインパクトで打ち込めるシャフトです。オーバースペックの場合はボールが上がりきらなかったり、飛距離は出にくかったりすると思いますが、ボールがしっかりと上がってくれれば飛距離的にはスチールシャフトと同等ですので縦の距離感で悩むことはないと思います。直線的な弾道が打てますので、左に巻き込むボールは出にくいでしょう。
最後に「TRAVIL」シリーズで最もハードな「115・X」を打ちました。シャフト振動数は324cpm、重量級のスチールシャフトユーザーがターゲットのシャフトです。
シャフトがねじれることなく、ハードなインパクトでもシャフトが負ける感じのないフレックスです。このスペックでボールがきちんと上がる人なら「TRAVIL」シャフトの特長がしっかりと発揮できるので、弾道の高さの安定性とスピンの効いた理想的な落下角を得ることができるでしょう。
スチールシャフトよりもボールがねじれない印象もありますので、インパクトを強くするとボールの高さが揃わなかったり、引っかけ気味のボールがでたりするようなハードヒッターが弾道を安定させるのにいいと思います。
「TRAVIL」の持つシャフト特性をいかすには、前回検証した「85」、「95」同様、いかに切り返しのイメージが合うスペック選ぶのが重要なポイントとなるでしょう。
重量やフレックスは気にせずに自分のタイミングに合ったスペックをチョイスして下さい。その際自身のヘッドスピードは気にしないで大丈夫です。
切り返しのイメージさえ合えばヘッドの操作性が上がり、インパクトで入射角が適正になりますので弾道は自然と高くなり、設計通りの高い打ち出しと落下角を得る事ができるでしょう。オーバースペックの場合は切り返し時に硬く感じ、ボールも上がりにくく、飛距離も落ちるので判断しやすいかと思います。
プロの試合のセッティングの硬めのコンパクションのグリーンでボールを止めやすい設計のシャフトですので、競技ゴルファーにとっては非常に魅力的だと思います。縦の飛距離も安定しますので、番手ごとのイメージもしやすいと思います。
シャフトのパフォーマンスを実現するためにはスペック選びは非常に重要です。イメージだけでなく必ず試打して選ぶようにして下さい。