ゴルフには“スコアの壁”がつきもの。ビギナーを脱したアマチュアゴルファーに立ちはだかるのがスコア100の壁だ。これを乗り越え「100切り」を達成するにはどうすればいいか? プロゴルファー・兼濱開人が状況別に解説。今回は夏ゴルフで起きやすい「フライヤー」について教えてもらおう。

フライヤーが起きるのは正しく振れている証拠

フライヤーとは、主にラフからのショットの際に、フェースとボールの間に芝が挟まった状態でインパクトをすることがスピン量が減少し、想定よりも飛距離が出過ぎてしまう現象のこと。

画像: インパクトの際、ボールとフェース面との間に芝が干渉することでスピン量が減少し、飛び過ぎてしまう現象をフライヤーと呼ぶ(写真はイメージ)

インパクトの際、ボールとフェース面との間に芝が干渉することでスピン量が減少し、飛び過ぎてしまう現象をフライヤーと呼ぶ(写真はイメージ)

芝が成長し伸び切っている夏のシーズンのゴルフでは、とくにラフからのショットでフライヤーが起きやすく警戒が必要となってくるのだが「そもそもフライヤーが出るということは、割とクラブを正しく扱えている可能性が高いとも言えます」と兼濱は言う。

「フライヤーって自分のヘッドスピードと打ち出し角に対してスピン量が減るので、高打ち出し低スピンで飛び過ぎてしまうんです。しかし100切り目指している方の場合、フライヤーが起こるような長さの芝からショットすると打ち出しの高さが足りない状態で低スピンの球になり、ドロップして飛ばないっていう状態になることのほうが圧倒的に多いと思います。なのでフライヤーが起きるということは、シャフトのしなりをうまく使って、ヘッドの先端を走らせ加速させて打てている可能性が高いので、まず喜んでいいことですね。スウィングのイメージが良くなっている証拠と言えますよ」(兼濱、以下同)

打ち出しが確保でき、なおかつ振り切れる番手を選ぼう

兼濱によれば、芝が伸びてしまっている以上、とくにラフではインパクトの際に芝が干渉してしまうもので、これを防ぐという選択はないとのこと。であれば、せめてフライヤーにもなりきらないドロップ球を防ぐために「必ず打ち出しが確保できる番手を選択しましょう」という。

「打ち出しが確保しやすいのはロフトが比較的寝ている番手ですよね。ロフトが寝た番手を選べば、フェース面と芝とが当たる面積も自然と小さくなり、ロフトが立った番手より芝の影響も受けづらくなりますよ」

画像: ロフトが寝ている番手のほうが抜けがよくインパクトの際に芝も干渉しづらい。芝の抵抗に負けず振り切れると感じられるところまで番手を落としてみよう

ロフトが寝ている番手のほうが抜けがよくインパクトの際に芝も干渉しづらい。芝の抵抗に負けず振り切れると感じられるところまで番手を落としてみよう

加えて、実際に打つ前に「芝の抵抗感を素振りで感じておくことが大切です」と続ける。

「素振りの際に必ず気をつけてほしいのが、きちんとボールの高さをヘッドが通るように素振りすることですね。ボールが芝の上に乗って地面に浮いている状態なこともありますし、沈んでいることもありますが、いずれにせよちゃんとボールの高さで振らないと、芝の抵抗感も変わってきてしまいますからね」

ボールの高さ通りに素振りを行ったうえで「芝の抵抗に負けずに振れる感覚がないのであれば、それが得られるところまで番手を落としましょう」と兼濱。

「フライヤーが起きるほど芝が長い場合は、残り距離とイコールの番手ではなく、振り切れることを基準に番手を選ぶことが大切です。むしろ振り切れるくらい寝た番手を選択すれば、打ち出しも確保できてドロップしませんし、何ならフライヤーが効いて、番手を下げたぶんもカバーできますよ」

協力/学芸大ゴルフスタジオ

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