ひと月前の「資生堂レディスオープン」の最終日終盤の17番、18番の連続バーディで桑木選手に追いつき、プレーオフで退け初優勝を飾った櫻井選手ですが、その試合と同じ古賀雄二プロキャディを伴っての2勝目となりました。「2勝目はとても大事なので、絶対に勝たせなければと僕の方がシビレていました」と古賀キャディは振り返ります。
「今週は行けそう」と櫻井本人の言葉を受けた古賀キャディは、どこを狙えばいいかと聞かれ「ピンだよ。ピン狙いで! セカンド入れちゃおう!」と半分は冗談のつもりで答えたといいます。その言葉通りにピンを攻める攻撃的なプレーでバーディを重ね、勝ち切った櫻井選手。
強さを見せたプレーについては「メンタルとか精神的なことではなくて、ちょっとそれを越える集中力、集中しかないですね」と教えてくれました。それでは、ピンを攻めたキレのあるアイアンショットを見てみましょう。
トラックマンを使って100ヤード前後の精度を上げる日々のルーティン
練習ラウンドから、毎日のルーティンで100ヤード前後の距離合わせをトラックマンを使って練習しているといいます。ドライバーの飛距離を生かすためにもショートアイアンの精度を高めたことでバーディチャンスを増やすことに成功しています。
画像Aでは打つ前のルーティンを紹介します。ターゲットライン後方に立ち、ボールと狙うべきターゲットをクラブを立ててラインを出します。次にそのクラブを下げ、ボールの先にスパットを見つけます。最後に右手でフェースをスクェアに合わせスタンスを取ります。
シンプルですが、確実にターゲットに対してスクェアに構えるルーティンがアイアンショットの方向性を高めています。
コンパクトなトップから左右対称なプレーン
グリップエンドとおヘソが向き合ったまま始動し、手打ちにならずに腕の運動量と体のターンが比例しコンパクトなトップを作ります。インパクトではアイアンショットでもおへそがターゲットを向くくらい体をしっかりと使った下半身の使い方が見て取れます(画像B中)。
バックスウィングで腕を大きく使わずに、ゆるみのないコンパクトなトップから腕を遅らせずにしっかりと体幹を使って左右対称なプレーンで振り抜いています。距離の調整は腰(骨盤)の回転速度で行っているので、インパクトもゆるまず距離感も合わせやすいでしょう。
トラックマンを使って100ヤード前後の距離を合わせる練習を取り入れているとは、山下美夢有選手からも聞いたことのある練習法。誤差2ヤード以内くらいの精度で打ち分けるのですからバーディチャンスも量産できるはずです。普段インドアゴルフで練習しているゴルファーなら取り入れたい練習法です。
昨年「ステップアップツアー」で5勝を挙げてはいますが、本格的にツアーデビューしたルーキーが早くも2勝目を飾りました。成長著しい若手のニューフェースの活躍はまだまだ続くことでしょう。