ブライソン・デシャンボーがLIVゴルフ、グリーンブライアー大会最終日に驚異の12アンダー58をマーク。LIV移籍後初勝利を飾った。ゴルフを科学するマッド・サイエンティストの望みはただ1つ。9月にイタリアで開催される欧米チーム対抗戦ライダーカップへに出場すること。果たしてザック・ジョンソン米チームキャプテンから召集の電話はかかるのか?

以前PGAツアーの舞台になったこともあるグリーンブライアーリゾートでおこなわれた大会で最終日を1打ビハインドから出たデシャンボーは出だし7ホールで6バーディを奪う猛攻。8番でボギーを叩き失速するかと思われたが、バック9で上がり4連続を含む7バーディを量産。54ホールで通算23アンダーをマークし、2位のミト・ペレイラに6打差をつけ圧勝を飾った。

画像: LIVゴルフ・グリーンブライアーで移籍後初勝利を挙げたブライソン・デシャンボー(写真/Getty Images)

LIVゴルフ・グリーンブライアーで移籍後初勝利を挙げたブライソン・デシャンボー(写真/Getty Images)

小雨そぼ降る悪天候のなか、18番パー3で12メートルのウィニングパットを沈めた瞬間、両手を挙げバンザイポーズで空中に舞い上がり喜びを爆発させたデシャンボー。プロの主なツアーで中日クラウンズでの石川遼(10年)やトラベラーズ選手権でのジム・フューリック(16年)らに並ぶ史上7人目の『58』達成者となり「何といえばいいのかわからない。ただただ関係者に感謝しかない」と言葉を詰まらせた。

20年の全米オープンで難コースを力でねじ伏せメジャーチャンピオンの仲間入りを果たしたデシャンボーだが、ここ数年は結果を出せず苦しんできた。LIVに移籍したことで周囲から批判され、昨年の秋には最愛の父ジョンさんまで亡くした。享年63歳。

お父さんが他界してから初の勝利だが? と記者から声をかけられると「その話はしないで」と涙をこらえながら「今日は父がずっと一緒にいてくれたような気がします。ここ数年苦しかったけれど58をマークしこういう勝ち方ができるなんて神様の思し召しです」。

デシャンボーの代名詞でもある“飛ばし”を担ったドライバーだが、16年のプロデビューからPGAツアー時代はコブラを使用していたが、今年になってテーラーメイドのステルス2に変更。しかし今週、彼のお眼鏡にかなったのはKrank Golf Formula Fire LD。ロングドライブコンテストの出場者が好んで使うクラブをバッグに忍ばせ14バーディを演出した。

そんな彼の次なるターゲットは来月のライダーカップ。8月末のツアー選手権終了時点でジョンソン主将が6名のキャプテンピックを発表する予定だ。LIV勢では全米プロに優勝しマスターズでも2位に入ったブルックス・ケプカがポイントランク上位で出場資格を得る可能性が高い。しかし元世界ランク4位のデシャンボーはキャプテンに選んでもらうしか出場の道はない。

LIVに移籍したことで今回欧州チームのキャプテンを務めるはずだったヘンリック・ステンソンがその権利を剥奪されており本来LIV勢にその資格はないのだが、PGAツアーとLIVの統合が発表されてから雲行きは変わった。

「ドライバーとパットが上手く噛み合って最高のプレーができている」とライダーカップ出場に意欲を見せたデシャンボー。「もし(キャプテンから出場要請の)電話がかかってきたら素晴らしいこと。でももしそうではなかったらローマでの米チームを応援します」。

華のある選手が表舞台に戻ってきてくれたことは喜ばしい。

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