ルーティンが乱れる=焦っている
打ちっ放しなどで練習を重ねて、ゴルフ場でラウンド。そしてラウンド中の反省点を洗い出し、練習に活かしてさらにスキルアップしていく……というのが多くのゴルファーが経験する上達の流れだろう。
しかしゴルフを始めたばかりで、これから初ラウンドを迎えたり、まだまだラウンドの経験が少ないビギナーの場合「ラウンド中は周りについていこうと焦ってしまいますし、目の前のプレーで精一杯になりがちで、自分でラウンドの内容を覚えておいてフィードバックすること自体が難しいです」とJJコーチ。
こればかりは致し方ないことなのだが、とは言ってもラウンドの経験を活かして次につなげたい。ならば「『自分のルーティンをきちんと守ってプレーできていたか』を振り返ってみてください」とJJコーチは言う。
「ショット前に行う一連の動作、いわゆるルーティンは全クラブで共通して反省できる点です。例えばショット前に素振りをちゃんとしていたのか、その際にリズムは意識できていたのか。できていなかったら、それがどういう場面だったのか、失敗が続いて慌ててしまったのか、それとも単純に集中力が切れて忘れてしまったただけなのか……。とくに『ルーティンを守れなかったところを注意して思い出してみてください』と伝えています」(JJコーチ、以下同)
このルーティンがおろそかになっていると「ミスした番手をピンポイントに反省して、練習しても次につながりづらいんです」とJJコーチは続ける。
「ルーティンが乱れるということは、それだけ焦っているということ。とくにビギナーの方の場合、焦りがプレーを乱す天敵と言えます。焦りながらプレーしたラウンドの結果だけを見て、ダメだった番手を集中して練習して次のラウンドに挑んでも、結局焦ってしまって同じことを繰り返すだけになってしまうんです」
そもそもの話ビギナーなのだから、まだまだゴルフを学んで上手くなっていく途上であり、ミスしてしまうのは当然のこと。であれば、そのミスの原因から「焦り」を極力なくし、いつも通りのスウィングをラウンド中でもできるようにするために、まずはルーティンに注力してみようということだ。
おすすめのルーティンを教えてもらおう
しかも反省点をルーティンに絞れば、日々の練習に取り入れるのも簡単。練習でもラウンドと同じように、1球ごとにルーティンを実行して習慣付けることを意識するだけだからだ。
ではまだ自分の中でルーティンが確立されていない、あるいは「これでいいの?」と不安なゴルファーに、JJコーチがオススメするルーティンを教えてもらおう。
「まずはボールの後方から目標の方向を確認しましょう。そしてクラブを振ったときにボールに当たらないくらい手前で、2回素振りしましょう。ただ素振りするのではなく、周囲に聞こえないくらいの小声でいいので、『イチ・ニ・サン』の三拍子を発声しながら振ると、リズムを意識しやすいですよ。クラブで地面を叩いて『イチ』。これが始動のきっかけを作り、『ニ』でバックスウィング、『サン』でダウンスウィング~インパクトですね」
発声はもちろん、素振りの回数が2回なのも大きなポイントだとJJコーチは続ける。
「1回目の素振りでは直前のショットからクラブを切り替えたあとなので、クラブの長さのギャップでしっかり打ち込めなかったりします。大体の方は空を切ってしまいますが、それで全然問題ありません。1回目の素振りで長さのギャップを認識して、2回目でしっかりとクラブが芝を擦るように素振りができるよう調整しましょう。地面を叩けたな、感覚がリセットできたなと思ったら、もう1回ボールの後方から目標を再確認して、ボールに対して構えて、打ちましょう」
JJコーチ曰く、上記はあくまで「ルーティンのベース」。「ルーティンは人それぞれですから、素振りの回数や、他の動作など、色々アレンジしてみてください」とのことだ。
協力/Tom's Bishon草加店