打感とパフォーマンスにこだわったテーラーメイドの新「P790」
テーラーメイドには「P770」と「P790」とコンポジット構造のアスリートモデルがラインナップされていますが、7番アイアンのロフトを比べてみると「P770」の33度に対して「P790」は30.5度と飛び系アイアンの要素を持たせています。
「P790」はブレード長の79ミリから名づけられているので、前作からサイズはキープコンセプトになっていますが中身は大きく進化させてきています。画像Bのカットサンプルを見て比べてみると、7番アイアン(左)と5番アイアン(右)、どちらも柔らかいフォームは充填されていますが、タングステンの搭載位置や重量、サウンドスタビレーションバーと呼ばれる打感や打音を制御するバーの搭載位置も番手別に設計されています。
番手別にタングステンの搭載位置や重量も異なる
特に8番~PWでは重心を低くし過ぎずにしっかりとスピン量を確保するため、タングステンのウェートも貫通型スピードポケットもなし。各番手ごとの役割を考慮し、それを引き立たせる設計になっています。そのため芯を外したショットでも、曲がり幅や飛距離の落ち込みを最小限にするという「メタルウッドの技術をアイアンに取り入れた」コンポジット構造のメリットを感じることができます。
実際にPWから打ち比べてみると、全番手にフォームが充填されていることもあり、打感の違いが違和感となることはありませんでした。
45.5度の落下角度を確保しグリーンで止められる弾道
ロフト角30.5度の7番アイアンのトラックマンデータを見てみると、キャリー164.9ヤード、弾道の高さ29.3ヤード、落下角度45.5度という、高さとグリーンで止められる落下角度を確保している弾道になりました。スピン量はトラックマンの想定値を表す斜字になっているので正確な数値はわかりませんが、落下角度を見るとしっかりと確保されているはずです。使用ボールはテーラーメイド「TP5X」です。
中空構造のコンポジットアイアンにおいて、懸念することは、弾きの強いフェース素材や構造のせいで距離の打ち分けが上手くいかなくなることです。しかし「P790」においては打感とパフォーマンスにこだわったというだけあって、スピン量が少なくなり過ぎたりすることもなく、距離の打ち分けも問題ありませんでした。
6番からPWまでの5本セットというのも手にしやすい設定ではないでしょうか。5番アイアン(23.5度)を単品で追加するも良し、手持ちの4番や5番UTと組み合わせるのもアリでしょう。装着されるシャフトもスチールが3種類、カーボンが専用設計のフジクラMCI80の4種類から選べるので、体力やスウィングタイプの違いに合わせられる点も嬉しいところ。ちょい飛び系アイアンの候補に入れておいて間違いないモデルと言えるでしょう。