エプソンツアー(LPGAの下部ツアー)で戦うアンナ・レディングはレギュラーツアー昇格間近の26歳。バージニア大学在学中には4年間を通してゴルフだけでなく学業優秀な学生が受ける名誉オールACCアカデミックチームのメンバーだった文武両道の人である。
そんな彼女がトーナメントの最中、本を読む姿がSNSで話題になっている。ティーショットを打つとすかさず本を開き、フェアウェイを歩いている最中も読書に没頭。在学中で試験期間なのか? と思いきや、すでに卒業しておりそうではない。
何を読んでいるの? とX(旧ツイッター)で聞かれ「本格ミステリーを読んでいる」と応答。これにネットの住民は「アンナ・レディングというよりリーディング(読書)だね」。
ラウンド中、ずっと集中力を保ち続けるのは難しい。かつてアニカ・ソレンスタムが全米女子オープン2連覇を目指した大事な試合前、あまりにも入れ込んでいる様子を見てスウェーデンゴルフチームのコーチだったピア・ニールソンがこんなアドバイスをした。
「球を打つ時間思いっきり集中して、それ以外の時間はほかの楽しいことを考えなさい」。するとソレンスタムはショットとショットの合間、近々入居する新居のインテリアを考えることでワクワクした気持ちを保ち、連覇を達成したという。
ショットの合間もガチガチの緊張状態では身が保たない。「フェアウェイに花が咲いていたら、足を止め、その香りを楽しみながらプレーしなさい」というのはトム・ワトソン。彼はレジェンド、ウォルター・ヘーゲンからその極意を学んだという。
アニカにしてもワトソンにしても、ショットの合間の心の余裕が好プレーを促すという考え方。読書をするレディングにとってもそれは「気持ちの切り替え」。ミスを引きずるのではなく本を読むことで一旦前のショットを忘れリセットして、次なるショットに集中するという作業をおこなっているのだ。
「あなたも読書クラブに入らない?」とツイッターに投稿したレディング。勝ちたい気持ちが強過ぎてメジャーで優勝を逃しているローリー・マキロイや畑岡奈紗にオススメしたい気もするが……。