海外メジャー参戦から帰国した山下美夢有、西郷真央、岩井明愛・千怜、穴井詩らに米女子ツアーから一時帰国し参戦する勝みなみ選手とポイントランク上位選手が勢ぞろいした「CAT Ladies」。好天に恵まれた大箱根CCは平日にも関わらず2300人にギャラリーでにぎわいました。
今日注目したのは、西郷真央、勝みなみ、桑木志帆という最終組の一つ前の組み合せ。西郷選手のコースレコードや2オーバーから4連続バーディを奪って3アンダーでフィニッシュした勝選手。ショットメーカーの桑木選手の組は目が離せない展開になりました。
西郷真央が戻ってきた!
不振だったドライバーショットから脱した西郷選手のゴルフは圧巻の内容でした。恐らくドライバーを持つのも怖さがあった時期を過ごしていたと思いますが、しっかりと背中がターゲットに向く深いバックスウィングからトップで間を作り一気にフィニッシュまで振り抜く西郷選手らしいドライバーショットが見られました。
「だいぶ前からショットに関してはかなり良くなってきて、今は違った課題というか、ビトゥイーンの距離の時に自分の動かしたい体の動きができなかったりとか、先週ぐらいまでは特にティーショットだとちょっと左の風の時に自分の思った体の動きができないというのが課題ではあったんですけど、先週そういった部分を克服することができて、今はショートホールの縦距離の合わせ方だったり、グリーンを外れた時のアプローチの引き出しだったりというのをすごく重点的に練習しています」(西郷真央)
ラウンド後の囲み会見で話してした通り、前半はティーショットがラフにつかまる場面もありましたが想定外の弾道になることはなく、飛距離も出て安定感もありました。西郷選手がドライバーに使用するUSTマミヤのツアー担当鈴木優吾さんによると「ヘッドをキャロウェイ『パラダイムX』にシャフトを『アッタスV2プロト』にして、つかまりの良い組み合わせにしています」とのこと。
様々な取り組みが功を奏し不調から脱し、海外での経験がアプローチの引き出しを増やし、今日のスコアに結びついたようです。ただ、9アンダーはパットが入らなければ出せないスコアです。元々パット巧者ではありましたが、今日のパットはバーディパットも厳しいパーパットもことごとく決め、好調時の西郷真央が戻ってきたことを印象づけました。
ショートゲームのレベルの高さを見せた勝みなみ
続いて米女子ツアーから一時帰国し「温泉を楽しみにしていると」と話していた勝みなみ選手。前半はドライバーショットが荒れ1オーバーでターンすると10番で右の池につかまりボギーで2オーバー。ところが、12番のパー3で15メートルのロングパット決めバーディとすると、13番はチップイン、14番は3メートル、15番で再びチップインと4連続バーディの『勝みなみ劇場』でギャラリーを沸かせます。
16番、17番は惜しくもパーでしたが最終18番では2メートル弱につけバーディとし後半を32でプレーし3アンダー18位タイでフィニッシュ。勝選手らしいといえば、そうなのですが流れをつかんだ爆発力は健在です。
実は出だしの1番パー5でティーショットを左に曲げ、3打目もグリーを外しピンに近い位置からのアプローチが残りました。そこからフェースを開いてふわりと上げると、ソフトにグリーンに着弾し難なくパーで切り抜けました。こういったショートゲームのレベルの高さもあり今日のスコアメイクにつながっています。
ショット力では二人に負けていなかった桑木志帆
最後に桑木志帆選手。昨日のプロアマ大会には出場せず練習に時間を費やしましたが、西郷真央、勝みなみ選手との組み合わせに「私でいいのかな?」と自信なさげな発言でした。ところが始まってみると持ち前のショット力の高さでフェアウェイを波佐佐内ドライバーショットとパーオン率の高いアイアンショットで4バーディノーボギーのラウンド。9位タイで初日を終えました。
西郷選手の9バーディと後半の勝選手のプレーに、自身のショートゲーム向上の必要性を改めて感じた様子。初優勝に最も近い選手の一人として後半戦のプレーに注目していきましょう。
2位には久しぶりに上位に顔を出した大里桃子選手。やりたい動きができなかったことをトレーニングで克服しショットが復調したと話します。3位タイには比嘉真美子、蛭田みなみ、川岸史果、櫻井心那と続きます。
新パター投入の山下美夢有は5アンダー8位
昨日の記事で報じましたが、クリーブランドの「フロントライン エリート パター1.0」を投入した山下美夢有選手は、出だしから4連続バーディで新パターの好感触をスコアで表しました。5アンダー8位と上位で初日を終えています。ラウンド後にはトラックマンを使ってコーチを務める父・勝臣さんと修正点をチェックしていたので明日はスコアボードを駆け上がって来るでしょう。
会場となる大箱根CCの気温は30.5度でしたが日差しは強く、ついて歩くと暑さで体力も消耗します。来場の際は熱中症対策をお忘れなく準備してください。
ディフェンディングチャンピオンの岩井千怜選手は4アンダー18位タイグループ。スコアの伸ばしあいになる展開に週末もたくさんのバーディが見られることでしょう。