刻々と変わるグリーンコンディションへの対応がカギ
昨日、初日の午後は強風が吹き、アンダーパーは午前組の24名に対して午後組は5名と難易度が増しました。風の影響でグリーンは乾き、フェアウェイからは止まるものの、ラフからは止まらずに奥にこぼれるシーンが散見されました。
今日2日目も15時頃から風が強くなり始め、午後組を苦しめましたが、午前組は風が強く吹かずにスコアを伸ばせたコンディションではありました。午前組でスコアを伸ばしたのは6アンダーでプレーし3位タイで終えた神谷そら、同じく6アンダーでプレーし6位タイで終えた申ジエ選手。
そして昨日の午後スタートで5アンダーで終えていた西郷真央選手もスコアをさらに3つ伸ばしています。西郷選手は好調なショットでチャンスメイクするものの、パッティングがなかなか決まりません。それでも9番パー5をバーディで終え予選ラウンドを首位から1打差の単独2位で終えました。ドライバーも含めて何の恐れもなく振り抜く姿に、スランプからは完全に脱し、さらに進化しているようにさえ見えます。
虎視眈々と上位を狙う申ジエ選手は、水曜日のプロアマ大会後の練習場で、遅くまで精力的に球を打ち込んでいました。今年こそポイントランク女王を獲るんだという気迫を感じさせます。午前組で風も穏やかではありましたが、風の影響と刻々と変わるグリーンのコンディションを見極める力は、全米女子オープン、AIGオープン(全英女子オープン)の成績を見ても明らかです。最後まで優勝争いに残るのは間違いないでしょう。
午後組でスコアを伸ばした小祝さくら選手。「硬く速くなるグリーンの状況に合わせられた」と5バーディ・ノーボギーで終えました。強い風の中でも「え、もう打ったの?」と思うくらいテンポよく打つので迷わずに打つことの大切さを学びました。先週に引き続き優勝争いに加わっていますが、方向性も距離感もしっかりとコントロールされていましたので、明日以降もトーナメントをリードしていきそうです。
トータル6アンダー3位タイで終えた稲見萌寧は、初日スタート前にキャディの体調不良のアクシデントから昨日は真栄城トレーナーが務めましたが、今日からは柳橋章徳コーチが駆け付けコンビを結成。ショットに不安なく週末に臨めそうです。
櫻井心那選手は地元の大声援を受け1アンダーでプレーし、トータル2オーバーでしっかりと予選を通過。長崎出身のプロゴルファーは少ないことと長崎県で開催される試合も少ないこともあり、これまで3勝を挙げた櫻井選手は注目の的になっています。残り2日「バーディをたくさん獲ります」と地元のギャラリーにプレーを見てもらえることを喜んでいました。
上位陣を見ると、小祝さくら、山下美夢有、申ジエ選手のポイントランク上位選手に加えて、復調してきた稲見萌寧、西郷真央選手、初優勝組の神谷そら、蛭田みな美、山内日菜子選手と誰が勝ってもおかしくないメンバーが揃っています。明日の3日目も目が離せない戦いになりそうです。
写真/岡沢裕行