ジャスティン・トーマスにとって22-23年シーズンはデビュー以来はじめてプレーオフシリーズ進出を逃す不作の年だった。優勝は昨年の全米プロが最後でシーズン中トップ10は3回だけ。ツアー15勝の元フェデックスカップ王者はポイントランク71位に終わり今週おこなわれている下位選手によるシード争いフェデックスカップフォールへの出場を余儀なくされた。会見で近況を語った彼の「元カノ」発言の意味とは?

フェデックスカップフォール初戦のフォーティネット選手権に登場したトーマスは開幕前の記者会見で競技から遠ざかっていた5週間を振り返った。

「何日も眠れない夜を過ごした」というのはライダーカップ(9月30日開幕)に出場できるか否かの瀬戸際だったから。ポイントランクでの出場を逃したためザック・ジョンソン主将によるキャプテンピックにかけていたのだが、キャプテンから当否の電話を待つ間の心境は複雑だった。

画像: PGAツアー「フォーティネット選手権」に出場中のジャスティン・トーマス(写真/Getty Images)

PGAツアー「フォーティネット選手権」に出場中のジャスティン・トーマス(写真/Getty Images)

「すごく苦しかった。いろいろ想像しては眠れない夜が続いた」。幸いジョンソンから過去のライダーカップ6勝の実績を評価され当確の連絡が届いてようやく「生きた心地がした」。

「ザック(・ジョンソン)にも伝えたけれど、たとえば元カノがいて彼女に電話しようか迷っていて、いろいろな言い訳を頭のなかに思い浮かべながら受話器を取る。今回選ばれなかったとしたら、その言い訳を受け入れなきゃならない。なんだか元彼から連絡を待つ元カノの心境だった」と苦笑い。

「でも電話があって出場できることがわかって安堵感と同時にものすごく興奮した。選ばれて幸運だし、とても幸せです」

眠れぬ夜を重ねながらトーマスにはある心境の変化があったという。

「起こっていないことを心配しても仕方ない。何があろうと事実を受け入れるしかない。もし望まない結果(落選)だとしても何か違った形で(米チームを)サポートすればいいと思った」

メンバー入りが決まってから2週間。彼はフロリダの自宅で練習に打ち込んだ。そこにはこれまで常に二人三脚でツアーを戦ってきたコーチである父・マイクさんの姿はなかった。

そのため「師弟関係解消か?」といった憶測が流れたが本人は「父の負担(毎週のようにツアーに同行する)を減らし自分なりにスウィングを考えるため」と説明した。

ライダーカップでもし米チームが敗れたら敗戦の理由として批判の矢面に立たされかねない立場。しかし始まってもいないことを心配しても仕方ない。アメリカゴルフ界の第一人者には精一杯実力を発揮してもらいたい。

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