「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で2週連続完全優勝を成し遂げた岩井明愛。今季3勝目を挙げたアイアンショットにプロゴルファー・中村修が注目した。

「優勝を考えない。自分に期待しない。浮かれない」のメンタルで2週連続完全優勝を達成

先週の「住友生命レディス東海クラシック」で2勝目を挙げると「2勝目がやっぱり自分の中でできるかできないかという感じの状況で先週優勝して、そこから不安もやっぱり自信に変わったので、それが今週また優勝できた原因になっているのかなと思います」と優勝会見では「不安から自信」に変わったことを話しました。

初優勝のあと2位を5回といつでも勝てそうな位置にいながら「自分は勝てないのではないか」という不安から「優勝を考えない。自分で自分に期待しない。浮かれない」というメンタルで2週連続で初日から首位を譲らない完全優勝を成し遂げました。

画像: 「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で2週連続完全優勝を飾った岩井明愛(写真/岡沢裕行)

「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で2週連続完全優勝を飾った岩井明愛(写真/岡沢裕行)

もちろんメンタル面の成長だけでなく、ショットの精度、パッティングやアプローチといった技術の向上も見逃せない中で、ここではアイアンショットに注目してみます。

フルショットとライン出しショットの打ち分け

フルショットとラインを出しながら距離感を合わせるショットの打ち分けが明愛選手のアイアンショットの要になっています。最終日16番のつま先上がりのライから右端に切られたピンを狙ったセカンドショットで見せたフェースのターンを抑えた打ち方は、引っかかりやすいライから右ピンを狙ったエクセレントなショットでした。

画像: フルショット(左)と方向性と距離感を重視したショット(右)を比べると手元の使い方、フェースターンの違いが見て取れる(写真/大澤進二)

フルショット(左)と方向性と距離感を重視したショット(右)を比べると手元の使い方、フェースターンの違いが見て取れる(写真/大澤進二)

フルショットの画像と比べてみると、フェース向きの違いと合わせて手元の使い方の違いが見て取れます。フェースのターンを抑えることで飛距離をコントロールしながら方向性も確保していますが、このショットの打ち分けこそパーオン率1位、平均バーディ数1位、バーディ数1位というスタッツに現れています。

通常はテークバックでクラブを立てるコックの動きをフォローサイドでもクラブを立てるように行うことでフェースをターンさせヘッドスピードを上げるように使いますが、フォローサイドでクラブを立てる動きを抑える意識を持つことで、フェースターンも抑えることができます。

画像: 左手首が甲側に折れるように使うことでフェースのターンを抑える(写真/大澤進二)

左手首が甲側に折れるように使うことでフェースのターンを抑える(写真/大澤進二)

もちろんティーショットだけでなく、番手に合ったフルショットの距離が残っていれば、しっかりとフェースをターンさせるフルショットで打つケースもあります。しかし、番手間の距離でいかに距離感と方向性を合わせるかでバーディチャンスを作る回数が変わってきます。フルショットと抑えたショットの打ち分けを真似してみるだけでも、距離の打ち分けや方向性の確保に大きく役立つはずです。

画像: フルショットではしっかりとフェースをターンさせる(写真/中村修)

フルショットではしっかりとフェースをターンさせる(写真/中村修)

大きく飛躍し心・技・体の揃ったプロ3年目の岩井明愛選手が、残るシーズンでどこまで活躍するかとても楽しみです。特に11月の米女子ツアーとの共催になる「TOTOジャパンクラシック」で優勝すれば即米ツアーの道が開かれます。ポイントランク女王の行方も含めて残る9試合から目が馳せなくなりそうです。

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