スクエアに立ち、イントゥイン軌道で「横からサラッ」と打つ
みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。クラブって日々進化していますが、それに伴いスウィング理論もどんどん新しいものが出てきています。アプローチの打ち方だって今の主流は昔とかなり変わっているのだとか。
月刊ゴルフダイジェスト11月号に「令和の寄せ方完全解剖」という記事がありました。その記事によると、最近のプロ達はシンプルにサラッと打って寄せているのだとか。具体的にはどんな打ち方なのでしょうか?
そもそもなぜアプローチの打ち方が変わってきたのでしょうか? この記事で解説をしてくれている内藤雄士プロによると、一番大きいのは弾道計測器の進歩でアプローチスピンの秘密が明らかになったことだそうです。その結果、以前のようにオープンに立って「上からドン」ではなく、イントゥイン軌道で「横からサラッ」とボールだけを拾うほうが合理的だということがわかったそうです。
では具体的にどう打てばいいのでしょうか? まずアドレスではスタンスをスクエアにして、肩も目標に対して真っすぐかまえます。ボールの位置はスタンスの真ん中か、ボール1個ぶん程度右足寄り。
テークバックでは手首の角度を変えないようにノーコックで上げて、フォローまでその角度をキープするように意識する。コックを使ってしまうと「タメ」ができ、入射角が鋭角になってしまったり、バラついたりするんですね。
そしてストロークは上下左右のブレをなくすために、なるべく手を使わず体の回転で打つのが大事。手とクラブをずっと体の保ったまま打つことを意識すると、その場で回転しやすくなるそうです。
やってみましたが、まずスタンスがスクエアというのに少し驚きました。以前からアプローチはオープンスタンスだと思いこんでいたので、ショットと同じようにスクエアというのは最初少し違和感がありますね、ノーコックと手首の角度を意識して振ってみると、最初はダフりました。おそらくインパクト前で手首をリリースしてしまっていることと、体の回転ができていないことが理由だと思います。手とクラブを体の前にキープするようにして体をその場で回転するようにすると、ダフリがなくなり、インパクトが良くなりました。またボールに根が生えているとして、その根をウェッジの刃でスパッと切るイメージで打つと上手く打てるということだったので、やってみると良い感じに打てました。
インから振る感覚が身に付く「右手素振り」ドリル
Z世代で「日本プロゴルフ選手権」のチャンピオンである平田憲聖プロも、なるべくロフト通り上がって少し転がるという一番シンプルな打ち方をメインとしているそうです。その平田プロがおすすめしているのが「右手素振り」です。平田プロによると軌道をコントロールしたり、距離感を出したりするのは右手の役割なので、右手だけで振る練習のほうがインから滑らかな円軌道で振るイメージが出しやすいということなんです。
平田プロが大事にしているのがインパクトでボールを包み込む感覚だそうです。ボールをこすらずにフェースに乗せて打つことでロフト通りに当てることができるのだとか。右手で振るとこのボールを包み込むイメージが湧きやすいということなんですね。
また右手素振りをすることで、自然なローテーションができるようになります。インパクト後、ヘッドを真っすぐに出そうとすると、手が体の正面から外れてしまいます。でも右手素振りだと自然なイン‐インの円弧がイメージしやすくなるということです。
さっそく右手だけで素振りしてみました。右手でボールを包み込むイメージで振ってみると、軌道もよくなるような気がします。フェースのローテーションも自然に入りやすいですね。平田プロは右手がフェースというイメージを持っているそうなので、僕もそのつもりで振ってみると、これまたかなりいい感じに振れるようになりました。
そのイメージを持ったままボールを打ってみましたが、いままで自分がやっていたアプローチよりも、しっかりとフェースにボールが乗る感じがします。バウンスもしっかりと効いてくれるので、ダフリのミスも少なくなりそうです。ロフト通りに飛んで少しスピンが入りコロコロと転がる感じの球になりますね。とてもシンプルに打てる気がします。特に僕はスウィング中の右手の意識が強いタイプなので、このイメージはとても合うように感じました。
アプローチが苦手な人、ダフリが多い人などは、シンプルなこの打ち方を試してみると良いと思います。この記事にはほかにもいろいろと打ち方や練習方法などが書かれているので、興味のある方はぜひ読んでみてください。