野球のバットスウィングのようなインパクトで飛ばす
PGAツアーだけでなく、国内ツアーでも300ヤードを越える飛距離を武器にする選手が増えてきているが、共通するのは右ひじを曲げままで右サイドの側屈を入れる、野球のバットスウィングで地面のボールを打つようなインパクトだ。
インスタのフォロワー4万人を越えるトミゴルこと富岡拓夢コーチに、飛ばしのインパクトを実現する”バレルスウィング”について教わった。
「ゴルフのコーチが野球のスウィングを研究したり、メジャーリーグのコーチがゴルフスウィングを研究したりという情報が入ってくる中で、飛ばせるポジションの大切さを痛感。2年前から指導を受ける師匠が、バットのグリップに近い位置に重心のある練習器具『ゴルフバレル』を開発したことでいろいろな謎が解けました」(富岡コーチ、以下同)
専修大学ゴルフ部出身で全国大会出場も経験する富岡コーチ自身も、胸を右に向け下半身リードでフェースをターンさせる打ち方を実践してきたとのこと。そこから”バレルスウィング”に取り組み3か月後にはそれまでと同じスコアでプレーできるようになり、ショットだけでなくアプローチも良くなったという。
では早速”バレルスウィング”と名付けた野球のバットスウィングのように打つスウィングを教えてもらおう。
クラブを体から離さずに体をターンさせる
素振り用の練習器具のグリップに近い部分に、重量のあるバレル形状を施した「ゴルフバレル」を使って練習することで、バットの重心を体から離さずに振る感覚を身に付けることから始めると富岡コーチ。
「ゴルフバレルを右手で握り、高い位置のボールを打つ野球のバットスウィングのように手元を下ろさずに、ボールの位置に届くように体を回していきます」
「手元を下げずに切り返しから体を回す感覚をつかんだら、クラブに持ち替え、同じく右手一本でトップから手元を下ろさずに体を回していくと、地面にあるボールを打つためには、右側屈が自然と入るようになります」
一般的なスウィングだと、上半身(胸)はターゲット後方を向けたまま下半身から切り返すことで手元が下がり、クラブはインサイドから下りてくる。しかし、バレルスウィングでは切り返しから体を回し手元も下ろさないという。
それではフェースが開いたまま下りて来てしまい、右に飛ぶのでは?という疑問に対しては、ゴルフ「クラブの特性を生かせば真っ直ぐに飛ぶと」富岡コーチ。
「体の回転を先行させるので自然とハンドファーストになり、グリップの延長線上から打球面がズレている偏重心であるゴルフクラブの特性を利用すれば、フェースはスクェアに戻ります」
富岡コーチにボールを打ってもらうと、確かに右には飛ばずに真っ直ぐに飛び、弾道計測で見てもきれいな放物線を描き距離も出ていた。
「手元を下げてフェースをターンさせる一般的な打ち方を否定する否定するわけではありませんが、ダスティン・ジョンソンのように飛距離があって実績を残すプレーヤーも存在します。バレルスウィングのほうが打ちやすいという声も多くいただいているので、コツさえつかめば打てるようになりますよ」
プレーヤーも指導者も、誰もがタイガー・ウッズのスウィングを目指していた一昔前から、スウィングは十人十色とプレーヤーにマッチしたスウィングを指導するようになってきている昨今。
国内ツアーの現場でも、片山晋呉、川崎春花らが素振り用バット「ゴルフバレル」を練習場に持ち込んでいる。バレルスウィングを試してみる価値はありそうだ。