パー4やパー5といった距離のあるホールでは、フェアウェイセンターに小さな旗(あるいは吹き流しや白黒の棒)が立っているのがティーイングエリアから見えることがある。
この旗は正式には「インタークロスセクション・ポイント」(略して「IP」)と呼ばれる。ざっくり説明すると、コース設計の際に測量のため設定された「架空の2打目地点」を示す旗なのだが、これはコース攻略を考えるうえでも有効。「とくに100切りを目指すなら、ティーショットの狙いどころは明確にこのIPが良い、と言えますね」と兼濱は言う。
「パー4以上のホールは、ティーイングエリアからグリーンまで一直線でなく、曲がっている場合も多いです。とくにドッグレッグホールだと、曲がった先が視認できません。見えないところを狙って打つのはリスクがありますが、フェアウェイセンターにあるIPは、いわば『ここを狙ったら割と次も打ちやすいですよ』とゴルフコースが示してくれているポイントですから、狙いどころとして明確に良いですよね」(兼濱、以下同)
千葉県・太平洋クラブ八千代コース11番、左曲がりのドッグレッグホールを例に挙げよう。写真Aがティーイングエリアからの景色、そして赤丸で囲った部分にあるのがIPだ。
「とくに飛距離に自信がある方は『最短距離でグリーンにたどり着くこと』を狙って左の林越えにチャレンジしたりもしますし、そういったチャレンジもゴルフの楽しみのひとつです。しかし林越えに失敗するリスクもありますし、成功してもボールをロストしてしまったり、越えた先で結局迂回しなければいけない障害物があってリスクを取っただけ、なんてことになることもあります。100切りを目指す方ならIP狙いですね」
もし100切りを目指し、なおかつ飛距離に自信があるならば「よりセーフティに、ドライバーより短い、IPまで届く番手を選択するのもアリ。例えば写真Aの赤丸で示したIPまでの距離は220ヤード、僕なら 4番ユーティリティで打ちますね」と兼濱。
フェアウェイセンターに旗が見えたら、まずその旗をターゲットにティーショットを打つ。ぜひマネジメントに取り入れてみてほしい。
協力/太平洋クラブ八千代コース