ゴルフには“スコアの壁”がつきもの。ビギナーを脱したアマチュアゴルファーに立ちはだかるのがスコア100の壁だ。これを乗り越え「100切り」を達成するにはどうすればいいか? プロゴルファー・兼濱開人が状況別に解説。今回はボールの目の前に木がある「スタイミー」な状況でのマネジメントの考え方を教えてもらおう。

ボールの目の前に大きな木があってショットが打ちにくい。そんな状況は「スタイミー」と呼ばれる。

ボール地点とグリーンとの間にちょうど木があるような状態では、木を迂回するように打つか、木の上を越える、あるいは下をくぐり抜けるようなショットを打つ……と大まかに3つの選択肢があるが、では100切りを目指すゴルファーにとって適切なマネジメントを行うならば、どのような選択を取るべきか。

具体例として千葉県・太平洋クラブ八千代コース11番ホールのグリーンまで約150ヤード地点(写真A参照)からのショットで考えてみよう。

画像: 写真A:目の前には木、そしてその奥にグリーンがあるスタイミーな状況。どうマネジメントするのが正解?(写真は千葉県・太平洋クラブ八千代コース11番ホール、グリーンまで約150ヤードの地点)

写真A:目の前には木、そしてその奥にグリーンがあるスタイミーな状況。どうマネジメントするのが正解?(写真は千葉県・太平洋クラブ八千代コース11番ホール、グリーンまで約150ヤードの地点)

まず考慮すべきは木を避けるべきか否か。これを考えるうえで大切なのが「避けなかった場合のリスク」だと兼濱は言う。

「写真Aのシチュエーションなら、高ささえ出せれば木の上を越えて奥にあるグリーンオンも狙える状況です。しかしこのホールの場合、右のOBがかなり近く、ショットの際に体が伸び上がって少しでも右にプッシュでもしてしまうと、OBにつかまる危険があります」(兼濱、以下同)

写真Aの状況に限らず、どんなホールの障害物の配置にも設計者の意図が籠められている。写真Aの木は「余裕で越えられる技術があるゴルファーは全然越えていいけど、ギリギリのところを無理するゴルファーにはOBのリスクを与える……むしろそんなゴルファーに高さを出すショットを打たせてOBを誘発させるための木だと感じられます」と兼濱は言う。

「そしてマネジメントで避けるべき状況に優先順位を付けるとしたら、もっとも避けるべきはOBです。次にワンペナ、次にバンカーなどのハザード、そして最後にラフといった順番だと考えていて、普段からお客様にもそうお伝えしています」

したがって、少しでも木を越えるショットに不安があるなら、OBのリスクは取らず「1回左サイドに刻むのが正解です」とのことだ。

「このホールの左サイドは広く使えます。木を避けてグリーン左端辺りを狙い、もし左に外しても『次のアプローチでチャンスあるかも』くらいで考えるのが正解。僕なら『アプローチ勝負だな』と考えて打ちますね」

木が近くプレッシャーがあるとそればかり意識してしまいがちだが、まずは冷静に勝負した際のリスクがどれだけあるのかを考えてみることが大切だ。

協力/太平洋クラブ八千代コース

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