山岳地帯が多い日本では、ゴルフコースも起伏に富んでいるケースが多い。起伏が絡む状況、なかでもとくにプレーの際に注意を払うべきは「グリーン周りが視認できない状況での、グリーンを狙うショットです」と兼濱は言う。
「例として千葉県・太平洋クラブ八千代コース12番ホール、363ヤードのパー4を見てみましょう(写真A参照)。ボールがある地点はティーイングエリアから約250ヤード地点、グリーンまでは約113ヤードと十分グリーンオンを狙える距離です。しかしグリーン方向は打ち下ろしになっていて、辛うじてピンフラッグが見える程度で、グリーン周りの状況はまったく視認できません。ゴルフはそもそも見えないところに打つのがすごく難しいスポーツで、その見えないところがグリーンとなると、かなりのプレッシャーですよね」(兼濱、以下同)
こういった目視でグリーン周りの状況を確認できない場合は「ショットの前に今一度コースレイアウトを見直して、グリーン情報と避けるべきハザードがあるかをチェックしましょう」と兼濱。
「大体の場合カートにコースレイアウトが確認できる資料が置いてあったり、カート備え付けの液晶で確認できたりします。コースレイアウトの確認は、もちろんすべてのホール、すべての状況でしたほうがいいことですが、とくに狙いどころが見えないときはショット前に改めてチェックして、イメージしやすい状態にしておきましょう」
例に挙げた12番ホールのグリーンは右手前にバンカーがあり、左は林。「幸いにもボールのポジションとグリーンとの間が花道で、ピンポジションもほとんどセンターでしたね」と兼濱。加えて直接グリーンが見えないときに避けたいのが「グリーン奥へのミス」だという。
「日本のゴルフ場ってグリーン奥へのミスはほぼほぼNGです。コースレイアウトでグリーンの幅やアンジュレーションを確認しておくことが大切ですね」
したがって写真Aの状況からなら「センターを狙っていけば右のバンカーにも入らないし、ショートしても上りのアプローチが残るから悪くない、なのでオーバーだけ気を付けます。打ち下ろしでなので飛距離がマイナス10ヤードくらいになるよう番手を落として打ちますね」とのこと。グリーンが見えない状況でも、落ち着いてコースレイアウトを確認し、“見えているかのように”イメージできるかどうかが大切というわけだ。
協力/太平洋クラブ八千代コース