池越えや谷越えのティーショットはどうしてもプレッシャーに感じてしまうもの。「言ってしまえば『いつも通りに振って飛ばすだけ』。それに尽きるのですが、どうしても怖く感じてしまいますよね」と兼濱。
怖がり過ぎず、いつも通り打つためには「実際に何ヤード飛ばせば越えることができるのか」を知っておくことが大切だという。
「ゴルフって、心理的に揺さぶられるスポーツです。池越え・谷越えホールのティーイングエリアに立ってみるとフェアウェイがめちゃくちゃ遠いように感じますが、視覚に惑わされたり『谷越えは嫌だな』とすぐ感情で反応するのではなく、冷静に何ヤード必要なのかを知ることが大切なんです」(兼濱、以下同)
千葉県・太平洋クラブ八千代コース15番ホールを例に考えてみよう。写真Aはティーイングエリアからの景色、すぐ先にある低地には池が配置されていて、これを越えなければフェアウェイには載せられない、というホールだ。
視覚的にはかなりプレッシャーがあるが「ちゃんと計測してみると、池を越えたすぐ先にある木まで約100ヤードほどしかないんです。これってピッチングウェッジでも全然越えられちゃう距離ですよね」と兼濱。
「難しく見えるけど『実は100ヤード飛ばせばオッケーなんだ』と理解していれば、100切りを目指す方ならある程度ドライバーにも慣れていると思うので、余裕を持って越えられるハードルですよね。プレッシャーを取り払うためにも、知っておくことは大切なんです」
そして次にケアしておきたいのが「飛ばし過ぎのミス」だという。
「例えばこのホールでフェアウェイのIPフラッグを狙っていくとして、250~260ヤード飛ばせる方だと、飛ばし過ぎでOBの危険が出てきます。かといって、別の場所を狙おうにも、次のショットが楽になりそうな場所があまりない。ならセーフティに狙うのが安牌ですね」
どうしても池を越える必要があるため、飛ばそうとしがちだが、飛距離に自信があるゴルファーほど一旦冷静になって「一生懸命飛ばして、次のショットが打ちやすくなるか」を考えることが大切というわけだ。
協力/太平洋クラブ八千代コース