いよいよ国内女子ツアーも最終戦を迎えています。会場となる宮崎CCの天候は晴れ、気温23.4度、風速6.3メートルという11月下旬とは思えない暖かい初日となりました。
ここ宮崎CCのグリーンは、コウライグリーンにグリーン周りはティフトン芝の混じる南国ならではのもの。グリーンのコンディションは、9フィート1/4、コンパクションは23と発表されていますが、グリーン面が硬いことと、コウライ芝独特の転がりが選手たちを苦しめています。
首位で終えた森田遥選手も「例年より重く感じるというか芝が元気なので芝目の影響はあると思う」という印象。実際に何人かのプロキャディに聞いても「いつもより芝が元気でライン読みが難しい」との答えが返ってきます。
初日に注目したのは、4アンダー2位タイで終えた櫻井心那選手です。しばらく調子が上がっていなかったのですが、先週の「エリエールレディスオープン」でコンビを組んだ石井恵可キャディからヒントをもらったようで、ショットが復調。「体の回転を止めずに打つ感じ」と練習日に聞いた通りのショットでチャンスメイクをしていました。
最終18番ホールは右ドッグレッグの423ヤードで2打目地点からは打ち上げなのですが、2打目をフェアウェイど真ん中の141ヤード、上りを見ても148ヤードを8番アイアンで打ったと今週コンビを組む宮崎晃一キャディは教えてくれました。軽いアゲンストの中「どんだけ飛ばすねん!」と思わずツッコミたくなるほどの飛距離と方向性でした。
フェードヒッターには苦手な左サイドに木の壁が続く右ドッグレッグが幾つもある宮崎CCなのですが、それをねじ伏せるようなショットを見せてくれました。今週は要チェックの選手になりそうです。
注目されているメルセデスポイントランク女王争いですが、今大会の初日の組み合わせは、2サムでランキング順になっているので、最終組は現在1位の山下美夢有と2位シン・ジエ選手。スタートから優勝争いをしているかのような独特の緊迫感が漂っていました。終盤になってもその雰囲気は変わっていなかったので、二人ともいい緊張感の中でプレーし3アンダーでホールアウト。明日も最終組から3組前の同組になっています。
山下選手は4バーディ1ボギーの3アンダーでしたが、ショットの調子は今一つという印象。ですが後半は徐々に感覚を取り戻してきていたように感じました。ここ最近悪かったアプローチが決まりスコアメイクできたことにつながったとラウンド後の会見で話しました。
一方のシン・ジエ選手は、5バーディ2ボギーの3アンダーで終え、練習日もプロアマ大会でもグリーンやグリーン周りを入念にチェックしていた成果もあったようです。しっかり準備してきたことで「どんな結果でも受け入れる自信があり、始まりが非常にいいなという感じ」と上々の滑り出しのようです。
ポイントランク女王争いでいうとわずかの差で3位で迎えた岩井明愛選手は、開幕前に昨年は出たくても出られなかった立場から、ポイントランク女王争いにも加わった今大会について「楽しみです。千怜と二人で出られるので最終日最終組でこの大会を盛り上げたい」といつも通りの元気なプレーを見せてくれました。しかし、コウライグリーンにも手こずり5バーディ2ボギー、1ダブルボギーの1アンダー10位タイで終えています。
2年連続の女王戴冠を狙う山下美夢有、13年連続14回目という経験で初の女王を狙うシン・ジエ、ランク3位からの逆転女王を狙う21歳の岩井明愛。明日も現地からのレポートをお届けします。