2023年はメジャー初優勝にあと一歩……
今季の成績は、2位に終わった最終戦や4位の全米女子オープンなど、あと一歩優勝に届かない試合が続いた。しかし、未勝利ながらも賞金ランキングは昨年と同じ8位。
米女子ツアー参戦から7年目で、生涯獲得賞金記録が855万4845ドルとなり、宮里藍が12年間プレーして獲得した830万2365ドルの記録を塗り替えた。
今年1年を振り返った畑岡は、
「勝てなかったのがすごく悔しいです。年間最低でも1勝、『毎年1勝』を目標にしていたので、最後の試合もチャンスがあったし、優勝争いも何度もありました。すごく調子がいい試合は少なかったですが、スコアをまとめられて、いい順位で上がれる試合もあったので、それはよかったです」
2年前に笹生優花に次ぐ2位で悔しい想いをした全米女子オープン。今年は、最終日単独トップでスタートしたもののスコアを3つ落とし、逆転を許してまたも戴冠を逃した。
また、エビアン選手権は最終日2位スタートで3位、全英女子オープンは初日7位スタートで11位に終わった。
ただ、畑岡にとってのメジャーは、優勝に手が届かない大会ではない。
「メジャーでも優勝争いは近いところにいる感覚があるので、来年もチャンスをつかめるようにオフを頑張りたいです」
畑岡はスウィング改造に取り組んでいる。
以前はインパクトの瞬間に"ジャンプ"しながらボールをつかまえにいっていたが、そのジャンプを抑えて、強いボールが打てるようにチェンジした。
「スウィングはちゃんと左に振り切って、ドローとフェードを打ち分けられるように取り組んでいます。いままでは体を止めてドローを打っていたのを、回転を止めずに打たないと安定したボールが出ません。ただその感覚がよくなってきたので、来年は自信をもってプレーできるようにしたいです」
2024年の目標は「開幕戦&メジャー優勝」「パリ五輪出場」
24年はオリンピックイヤー。パリ五輪のゴルフ競技はル・ゴルフ・ナショナルGCで女子は8月8日に開幕する。
6月の全米女子プロ以降に決まる日本代表争いは混戦模様だ。世界ランキングの各国上位2位まで(同ランク15位以内は最大4枠)に代表権が与えられる順位は、畑岡が現在日本最高の17位ながら、22 位に山下美夢有、24位に古江彩佳、27位笹生優花と続く。
半年余りで、それらの順位が大きく変わることもある。トップの畑岡であってもうかうかしていられない。
「自分もランキングを落としていますが、20番台の日本選手が増えてきて、代表になるだけでもたいへんです。リオオリンピックの韓国代表のようにトップ15位に入っても5番手になってしまうように日本のゴルフのレベルが上がっていると思います。まだどうなるかわかりませんが、チャンスがあれば出たいです。
東京オリンピックは調整できず、思うようにいかなかったですが、この2年で、試合で調子が悪くても東京オリンピックのときよりスコアをまとめられる自信もあるので、ピーキングをうまくしたいです」
また、24年の開幕戦は今季からスポンサー契約した「ヒルトングランドバケーションズ」主催の大会で、同グループのアンバサダーとしても出場する大事な大会だ。
「今年勝てなくて、再来年の出場資格はありません。限られた選手しか出られない大会ので、出場して勝ちたいです」
開幕直前の1月13日に、畑岡は25歳の誕生日を迎える。
「20代半ばになって、体の変化もあると思うし、来年も試合が多いので、最後まで体作りをしっかりやりたいです。ウェイトをガツガツやらずに、バランスのいい効率のいいスウィングにつながるようなトレーニングです」
今年1年と来年への想いを語った畑岡。
開幕戦まで2カ月足らず。このオフは課題やトレーニングに取り組んで、24年こそは、メジャー初優勝を成し遂げる。