明日から12月というのに半袖でプレーする選手が見られるほどの天候に恵まれた初日。東京よみうりCCの速くて硬いグリーンと前後左右に振られたピン位置でも中島啓太選手は、1イーグル5バーディノーボギーと賞金王にふさわしいゴルフで首位に立ちました。練習日の会見では「(賞金王が決まって)今週も良いプレーをしないと良くないと思うので、自覚と責任を持って勝ちにいきたい」と話していた通りのプレーを見せてくれました。
「役が人を作る」とは言いますが、賞金王としての自覚がプレーに現れ、3番パー4では2打目をカップに放り込むショットインイーグルを奪い、6番パー5ではドライバーの飛距離で同組の蟬川泰果を上回りバーディを奪います。他の選手のプレーも見ていましたので金谷選手の位置でも十分に飛んでいるのですが、中島選手の飛距離には驚きました。
賞金ランク2位を死守したい金谷拓実選手も6バーディノーボギーの1打差につけ、金谷選手を約1300万円差を追うランク3位の蟬川泰果選手は首位から4打差の3アンダー7位タイで終えています。
私が注目したのは賞金ランク12位の資格で初出場する吉田泰基選手。ショット力が魅力の日大ゴルフ部の出身の25歳です。傾斜の強い名物ホールの18番パー3では、惜しくもバーディはなりませんでしたが、「(打つべき方向に)距離感だけで打てた」としっかりバーディチャンスにつけるショット力を見せてくれました。
好調なショットについて取り組んでいることを聞くと、「手先で打たずに腕を振るようにしています」と吉田選手。スウィングを見ると、少しボールから離れたアドレスから前傾姿勢をキープして振り抜くことで気持ち良いくらい腕も振れています。体が起き上がらないのは、クラブが斜めの面で振れているからこそ。
「パー5で(バーディを)獲って2アンダーくらいの目標でした」と、欲張らないプレーが功を奏し5アンダーで終えています。残り3日でどこまで上位で戦えるかとても楽しみな選手です。
国内男子ツアーも残り3日で今シーズンが終割ってしまうのは寂しい限りですが、30名の限られた選手しか出場できない最終戦のプレーを最後まで見届けましょう。