ゴルフには“スコアの壁”がつきもの。ビギナーを脱したアマチュアゴルファーに立ちはだかるのがスコア100の壁。これを乗り越えるためには技術的な面はもちろん、コースマネジメントも重要となってくる。プロゴルファー・兼濱開人に、千葉県・太平洋クラブ八千代コース16番ホールを実例に、コースマネジメントの考え方を教えてもらった。

千葉県・太平洋クラブ八千代コースの中でも難ホールに数えられる16番ホールは、レギュラーティーから520ヤード(Bグリーンの場合)のパー5。ティーイングエリアからの景色は開放感があり広く見えるが「実は広いようで狭いホールで、狙いどころを誤ると大事故が起こってしまうんです」と兼濱は言う。

「このフェアウェイの途中で左に曲がり、その先もゆるやかに右に曲がっていくダブルドッグレッグになっていて、IPフラッグ(写真A赤〇の部分)も結構左に立っていますよね。あの地点が本当にフェアウェイど真ん中なんですよ。一方、右サイド(写真A青〇の部分)は開けているように見えて、実はその先がかなり高低差のある谷のようになっていて、落ちた先もプレーできるラフなんです」(兼濱、以下同)

画像: 写真A:千葉県・太平洋クラブ八千代コース16番ホールのティーイングエリア。赤丸がIPフラッグ、右サイド(青丸)は広く見えるが、その先は谷になっていて危険

写真A:千葉県・太平洋クラブ八千代コース16番ホールのティーイングエリア。赤丸がIPフラッグ、右サイド(青丸)は広く見えるが、その先は谷になっていて危険

写真A青〇で示した部分のその先が、写真B。傾斜が急で、少しでも飛び過ぎたら勢いのまま一番下まで転がり落ちてしまう。「打ち上げで右ドッグレッグが残っていてピンが見えない、結構難しい状況で、刻んでフェアウェイに戻すのも少し難しいですね」という。

画像: 写真B:写真A青〇の先は谷になっていて、難しい状況からフェアウェイに戻す必要がある

写真B:写真A青〇の先は谷になっていて、難しい状況からフェアウェイに戻す必要がある

「上級者ならティーイングエリア左側に見える林の上を越えるようにIPフラッグを狙ってティーショットを打つのがベストな選択なのですが、100切りの方にとっては、他のホールと同じ感覚でIPフラッグを狙うとリスクがあり難しいショットを打つ必要があります」

したがってティーショットでは林越えを無理に狙わず「このホールはパー6だと思ってプレーしましょう」と言う。

「僕がラウンドレッスンで訪れた際は『このホールはパー6ですね』とお伝えしています。右サイドの谷までは約223ヤードですから、距離の出ない方はシンプルにパー6だと思って無理せずコツコツ攻めていき、ボギーで上がれたら十分なホールと考えるんです。そして距離が出る方はティーショットの時点でダボのリスクがある危ないホールという認識でプレーしましょう」

林越えを無理に狙わない以上、コントロールショットや短い番手を持つなどして「フェアウェイ左のラフの延長線上に打ちたいですね」と兼濱。

「IPフラッグ辺りに飛ばしても(写真C)、右ドッグレッグでグリーンも見えませんし、フェアウェイの木も邪魔ですから、無理に頑張らなくてもオッケーです。右に曲がっても谷に落ちないように、IPフラッグより左側、フェアウェイ左のラフを狙っていっていきましょう」

画像: 写真C:IPフラッグ辺りまで飛ばせても難しい状況が残る。100切りを目指すゴルファーは無理にIPフラッグを狙わずセーフティに刻んでいこう

写真C:IPフラッグ辺りまで飛ばせても難しい状況が残る。100切りを目指すゴルファーは無理にIPフラッグを狙わずセーフティに刻んでいこう

このホールに限らず、ぱっと見で開放感のあるホールでも何かしらの罠が仕掛けられているケースは非常に多い。ティーショットを打つ前に、しっかりとレイアウトを確認して狙いどころを明確にしておこう。

協力/太平洋クラブ八千代コース

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