横峯さくらや上田桃子、最近では原英莉花や川﨑春花といったトッププレーヤーが優勝者に名を連ねる「JLPGA新人戦 加賀電子カップ」。プロテスト合格した新人がNo.1の座を争う試合だが、今年は昨年合格の95期生と今年合格の96期生の2大会が同時に同じ会場で実施。95期生はウー・チャイェンが6アンダーで優勝した。

「同期と一緒にまわる試合で優勝できて嬉しい」

画像: 流暢とまでは言えないが、しっかりと受け答えするウー・チャイェン

流暢とまでは言えないが、しっかりと受け答えするウー・チャイェン

95期の優勝候補筆頭だった神谷そらが2日目9ホール終了時にJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップで痛めた左足首痛で棄権。本命不在の試合と思われたが、今季ステップ・アップ・ツアー3勝し、賞金女王も獲得したウー・チャイェンが役者の違いを見せつけた。

初日は7バーディ1ボギーの66で首位スタートだったが、2日目は、「強風の影響よりも自身のコンディション不良」と本人が話すように、前半2番から4番ホールまで3連続ボギー、後半も3ボギーと伸ばせず78と順位を落とし、首位に3打差の3位タイで最終日を迎えた。

最終日、ウーはスタートの1番ホールで約4mのバーディパットを沈め、幸先いいスタートを切ると、6番では約9mのロングパットを決め首位に肉薄し、8番、9番と連続バーディで一気に首位に。この前半で「優勝を意識した」といい、後半も12番でボギーはあったものの、11番、13番、17番と3つバーディを奪い、この日だけで6アンダー、通算でも6アンダーで優勝した。

「今季のステップ・アップ・ツアーで賞金女王を獲れたおかげで、QTに挑まなくてよく、この試合に向けてしっかり準備ができたことが勝因だと思います」と語り、下部ツアーの賞金女王の実力の高さを印象づけた。

また、不調だった2日目から、一夜にしてコンディションを上げることのできた要因に「2日目の夜に『明日の1番はこういう風ならこの番手でここに置いて、違う状況ならこう』というようにラウンドのイメージをしっかりしたこと」と話し、この技術だけでなく、メンタルやマネジメントの部分でも実力者の貫録を見せた。

画像: 155cmとそれほど大きな体つきではないが、ダイナミックなスウィングが魅力

155cmとそれほど大きな体つきではないが、ダイナミックなスウィングが魅力

ちなみに、ウーのコーチにはJLPGAの永久シードの涂阿玉が就いており、彼女のことを「センセイ」と呼んでいる。「センセイからはスウィングというよりは、メンタルとマネジメントを教えてもらっています。優勝した試合後に電話で連絡し、今日悪かったことを話し合って、次につなげています」と余念がなく、そのマインドが今回の優勝に繋がったのだろう。

初日には「JLPGAツアーチャンピオンシップに出たいので、メルセデス・ランキング30位以内を目指します」と言っていた来年の目標を、再度聞くと、「レギュラーツアーで優勝できるように頑張る」と具体的、かつ上方修正したように感じた。会見場に入場する際に深々とお辞儀をして入り、少し日本語はたどたどしいが一生懸命に話すウー・チャイェンという台湾の新星が来季のツアーを盛り上げることは間違いないだろう。

PHOTO/Shinji Osawa

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