小説や映画でおなじみの「天国に一番近い島」ニューカレドニア。前編では首都ヌメアをご紹介しましたが、見どころはまだまだあります。後編ではヌメア以外のおすすめスポットや、ニューカレドニアに行ったら食べてもらいいたいグルメ情報などをお伝えします。
取材協力/ニューカレドニア観光局エアカラン

ニューカレドニアは
実は日本と所縁の深い場所

ヌメアから車で約2時間のところに、屈指のニッケルの産地ティオという町がありますが、人手不足を補うために、1892年に日本人が初めて移住した街です。当時は1800人ほどの日本人が労働し、農業など産業の発展に貢献したといいます。しかし第二次大戦で日本とフランスが敵対したことから、日本国籍を持つ人は財産を没収され、強制国外退去を命じられてしまいます。そのため現地で結婚していた人は、家族離散になってしまいました。街の看板やレストランのメニューにも当時の名残から日本語が書かれていることも多く、島全体で親日家が多いといい、実際に会った人たちは日本人と知ると、リスペクトを持ってやさしく接してくれる印象で、日本人は過ごしやすい場所だと感じました。ニッケル鉱山博物館へ行くと当時の様子を知ることができます

画像: ニッケル鉱山博物館では当時の作業や生活の様子を写真や展示品で知ることができる。当時は多くの日本人が労働してコミュニティを形成。現地で剣道の試合なども行われていたようです。博物館のスタッフたちが日本人の私たちを熱く歓迎してくれました

ニッケル鉱山博物館では当時の作業や生活の様子を写真や展示品で知ることができる。当時は多くの日本人が労働してコミュニティを形成。現地で剣道の試合なども行われていたようです。博物館のスタッフたちが日本人の私たちを熱く歓迎してくれました

画像: ニッケル鉱山博物館の近くにある日本人墓地。ニッケル採掘は山にこもって行われるため、不慮の死を遂げると山頂に墓を掘って埋葬された。長くそのままにされ、風化して崩れている物も多かったといいますが、現地人と在住日本人の有志が現在の場所に移設・修復したそうです

ニッケル鉱山博物館の近くにある日本人墓地。ニッケル採掘は山にこもって行われるため、不慮の死を遂げると山頂に墓を掘って埋葬された。長くそのままにされ、風化して崩れている物も多かったといいますが、現地人と在住日本人の有志が現在の場所に移設・修復したそうです

画像: 高台に上ると気持ちのいい景色が広がります。上の写真の左側に船が写っていますが、これがニッケルを運ぶ船。今でも採掘が続けられています

高台に上ると気持ちのいい景色が広がります。上の写真の左側に船が写っていますが、これがニッケルを運ぶ船。今でも採掘が続けられています

映画のロケ地、ウベア島
まさに「天国に一番近い島」だった

映画の舞台となったのがウベア島。首都ヌメアから国内便で約40分のところにある離島です。ニューカレドニアの海はどこも澄んだ碧色で訪れた者の目を惹き付けますが、ウベア島の海は白い砂浜が広がり格別に美しい。島にはヤシの実やパパイヤなど南国の果物がたわわに実り、ラグーンでは海亀などが泳ぐなど、古来から人が想像してきた楽園そのもの。観光名所をせわしなく回るのではなく、気ままにマリンスポーツを楽しんで、新鮮な魚介や果物を満喫。ただただゆったりと時間を過ごす。現代人にはなんとも贅沢な時間だといえます。

画像: ヌメアから国内便で約40分のウベア島。日帰りでも行けるスポットだが飛行機に乗るときは要注意。前編でお伝えした通りゴルフはマイナースポーツなので、空港スタッフはゴルフボールを初めて見る人ばかり。持ち物検査で何か分からずにチェックに引っかかり、説明してもなかなか理解してくれずゲート通過に時間がかかりました

ヌメアから国内便で約40分のウベア島。日帰りでも行けるスポットだが飛行機に乗るときは要注意。前編でお伝えした通りゴルフはマイナースポーツなので、空港スタッフはゴルフボールを初めて見る人ばかり。持ち物検査で何か分からずにチェックに引っかかり、説明してもなかなか理解してくれずゲート通過に時間がかかりました

画像: 巨大な石灰岩の断層、レキンの断崖。自然の力で岩がくり抜かれた崖は存在感抜群。ガイドを付けてのみ歩いて巡ることができます(神聖な場所ゆえガイド無しでは進入禁止)

巨大な石灰岩の断層、レキンの断崖。自然の力で岩がくり抜かれた崖は存在感抜群。ガイドを付けてのみ歩いて巡ることができます(神聖な場所ゆえガイド無しでは進入禁止)

画像: 映画にも登場したムリ教会。ムリビーチの目の前にあり、日曜日にはミサが行われ多くの住民たちが足を運ぶといいます

映画にも登場したムリ教会。ムリビーチの目の前にあり、日曜日にはミサが行われ多くの住民たちが足を運ぶといいます

画像: 宿泊するならパラディ・ド・ウベアがおすすめ。かつて日本人オーナーが所有していたホテルで、オーシャンフロントのコテージに宿泊でき、レストランでは海を見ながら食事が楽しめる。現地人に嫁いだスタッフの岩本雅子さんも常駐していて安心です

宿泊するならパラディ・ド・ウベアがおすすめ。かつて日本人オーナーが所有していたホテルで、オーシャンフロントのコテージに宿泊でき、レストランでは海を見ながら食事が楽しめる。現地人に嫁いだスタッフの岩本雅子さんも常駐していて安心です

ニューカレドニア唯一の
ゴルフリゾートで過ごす夢のような時間

首都ヌメアから車で2時間。サーフィンの聖地としても人気のブーライユに2015年に誕生したゴルフリゾートがあります。世界遺産のラグーンに囲まれた自然保護区に建つため、建物は先住民族のカナック文化に敬意を示したデザインにされていて、スパやマリンスポーツなど様々なアクティビティに加えて、本格的なリンクススタイルのゴルフ場を完備しています。コースは鬼才ピート・ダイが設立したダイデザインがオセアニアで初めて設計を請け負い、ピートの姪、シンシア・マクギャレス・ダイが造り上げた18ホール。自然保護区の敷地にあるラグーンや湿地帯をそのまま利用する形でデザインされ、プレーするティーごとにアングルが変わり面白みがあります。まだそこまで世界的に知られていないためゴルフ場は比較的空いているので、繁忙期でなければ基本的には好きな時間にスタート可能。敷地内にはフェアウェイフロントのロッジのほかに、カナックの伝統家屋「カーズ」を模したバンガローなどがあり情緒満点なので、ゴルフ旅には外せないスポットです!

画像: 世界遺産のラグーンの目の前に広がる18ホール。うねるフェアウェイ、長いバンカーなど戦略性に富み、アメリカンリンクスの醍醐味を味わえます。宿泊施設などへの移動にはもちろんゴルフカートが使用されていて、ゴルフリゾート感満載でした! PHOTO/Chantelle Louise、M. Dosdane

世界遺産のラグーンの目の前に広がる18ホール。うねるフェアウェイ、長いバンカーなど戦略性に富み、アメリカンリンクスの醍醐味を味わえます。宿泊施設などへの移動にはもちろんゴルフカートが使用されていて、ゴルフリゾート感満載でした! PHOTO/Chantelle Louise、M. Dosdane

画像: ホテルにはレストランやプール、バーなどもあるが、バーは21時ごろには早々に店じまい。そのため夕食後にアルコールを飲みたい人は、事前に買っておくか、バーが閉まる前に早めに購入しておこう

ホテルにはレストランやプール、バーなどもあるが、バーは21時ごろには早々に店じまい。そのため夕食後にアルコールを飲みたい人は、事前に買っておくか、バーが閉まる前に早めに購入しておこう

画像: ホテルの前は世界遺産のラグーンが広がる。近くのポエビーチでは船底がガラス張りのボートで海中を観察したり、シュノーケリング、ウィンドサーフィンなども楽しめます。また、マウンテンバイクが貸し出され、ツーリングすることも可能。近くの山も自転車で登ることができ、そこから見える大パノラマは圧巻です。PHOTO/SUGAR PHOTOGRAPHIE

ホテルの前は世界遺産のラグーンが広がる。近くのポエビーチでは船底がガラス張りのボートで海中を観察したり、シュノーケリング、ウィンドサーフィンなども楽しめます。また、マウンテンバイクが貸し出され、ツーリングすることも可能。近くの山も自転車で登ることができ、そこから見える大パノラマは圧巻です。PHOTO/SUGAR PHOTOGRAPHIE

ニューカレドニアは
美食でもパラダイス!

海と森に囲まれたニューカレドニアは食材の宝庫。海の幸はもちろん、山には野生動物が生息。日本と同じように水道水が飲めるなど水資源も豊富で肥沃な土地では、作物や果物がたわわに実る。そんな食材を使ったここでしか味わえない絶品料理でもてなしてくれます。

とくに有名なのが天使の海老。ニューカレドニアの綺麗な海で養殖された海老は、アミノ酸をたっぷり含んでいるので甘みと旨味が強いのが特徴です。本国フランスでは高級食材とされており、生でも美味しいですが、焼いたり揚げたりするとさらに香りが立って美味。そのほかにはマグロもよく食される食材で、スーパーなどでも数種類の生のマグロが販売されています。また、カナックの伝統料理で特別な日に食すというブーニャは作るのに手間暇がかかるためなかなか巡り合えませんが、ヌメアでも提供するお店もあるそうなので、見かけたらぜひ味わってみて下さい!

画像: フレンチの影響を受け、ノブタやマングローブ蟹などを使ってニューカレドニア風にアレンジされた郷土料理もおいしかった。また、その日の朝に狩ってきた鹿肉の炭火焼は脂が少ないにもかかわらず肉質はきめ細やかでやわらかくジューシーで絶品でした!

フレンチの影響を受け、ノブタやマングローブ蟹などを使ってニューカレドニア風にアレンジされた郷土料理もおいしかった。また、その日の朝に狩ってきた鹿肉の炭火焼は脂が少ないにもかかわらず肉質はきめ細やかでやわらかくジューシーで絶品でした!

画像: 「ブーニャ」はタロイモやヤムイモなどの芋類と、肉や魚などをココナツミルクと一緒にバナナの葉で包み、地中で蒸し焼きにしたもの。またタピオカのフライもよく食べられるようですが、ホクホクとした食感でポテトフライとはまた違う味わいがありました

「ブーニャ」はタロイモやヤムイモなどの芋類と、肉や魚などをココナツミルクと一緒にバナナの葉で包み、地中で蒸し焼きにしたもの。またタピオカのフライもよく食べられるようですが、ホクホクとした食感でポテトフライとはまた違う味わいがありました

日本からも行きやすく、魅力たっぷりのニューカレドニアですが公用語がフランス語のため、英語が通じなくて不便に感じることもあります。でも、夜でもひとりで歩けるなど治安もよく、通り掛かった車から手を振ってくれるなど皆フレンドリーで日本人にとって過ごしやすい島です。ハワイやグアムももちろんいいですが、一度は南太平洋のマリンリゾートに行ってみてください!

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