みなさんこんにちは。ゴルフバカイラストレーターの野村タケオです。2023年シーズンも終わりましたが、女子ツアーでは今年も強い若手の選手が活躍しました。そんななかで、僕が注目したのは岩井姉妹です。双子で同時にプロになり、そして一緒に大活躍するなんて本当に凄くないですか?
そんな岩井姉妹を小学生のときから指導している永井哲二コーチの記事が週刊ゴルフダイジェスト12/19号に載っていました。彼女たちがいったいどんな指導を受けてきたのか、めっちゃ気になるので試してみることにしました。
永井コーチの記事のタイトルは「真っすぐ飛ばすなら胸の前の三角形です」というもの。永井コーチによると胸の前にできる三角形を意識して、先に体を回転させるということが大事なんだそうです。そうすることで両脇が締まったまま、体の中心線上に手とグリップとヘッドが並び、そこから手を上げると三角形が崩れない”いいトップ”になるということなんです。
手を使って右ひじを引くようにテークバックしてしまうと、体の中心線上からヘッドが外れてしまいます。初心者だけではなく、経験の長いアマチュアでもクラブを上げる方向が間違っていることが多いらしいんですね。手を使わずに体の回転で上げることで、体の中心線上からヘッドが外れないということです。おへその延長線上にヘッドが来るのが正しいそうです。
自分のテークバックはどうなのか試してみましたが、見事に外れていました。僕は元々けっこうインに引いてしまうクセがあるので、完全に外れちゃうんです。かなりヘッドを外に上げるくらいのイメージでやると、おへその前にヘッドが来てくれました。いや~こんなに感覚が違うのかと驚きました。しかし、たしかにこの方向に上がると、三角形は崩れないし、両脇もしっかりと締まっている感じがします。
次に永井コーチは左手のグリップをパームに握ってほしいと言っています。左手はパームで、右手はフィンガーが真っすぐに飛ぶグリップなんだとか。左手は緩まないようにしっかり手のひらで握り、右手はスピードにブレーキをかけないように指先で軽く握るということなんです。左手をパームに握るとトップでグリップエンドにすき間ができないので、スウィングがコンパクトになるというメリットもあるようです。左手をパームに握れているかどうかを確認するには、トップの位置で人さし指、中指、薬指を離してもクラブが落ちなければOKということです。
僕はもともと両手ともフィンガーで握っていたので、左手パームというのは少し違和感がありますね。ただ、素振りをしてみると、たしかにトップがコンパクトになるし、スウィングの再現性が高くなるような感じがしました。
最後にこの記事で指導を受けているユージさんが少しアウトサイドイン軌道になっているので、それを矯正する体操が紹介されていたのでやってみました。僕も外からクラブが下りてくるタイプなので、これは興味津々です。
アウトサイドイン軌道をイン・トゥ・イン軌道に変えるには、胸を閉じたままクラブを下ろす感覚が必要だそうです。この体操をやると手と体を動かす順番が覚えられて、インからタテに手を下ろすコツがつかめるそうです。
体操のやり方は、まず力を抜いて左手をフォロー側に振ります。そこから体を回しながら手を下に下ろし、体を90度回転させてトップを作ります。そして胸を閉じたまま手を下ろすのですが、手が肩の高さにいくくらいまでは顔は右を向いたままにして、そこから左手の動きに引っ張られて体が回転していき、フィニッシュの形になります。
これ、やってみると、ここまで胸をずっと右に向けておかなければいけないのかと少し驚きます。とにかく手の力を抜いて、ブランブラ~ンと振りながら何度か繰り返します。僕は体が硬いので、少しむずかしい部分もありますが、胸を閉じて振るという感覚はよくわかります。この感覚のままクラブを振ってみると、たしかにクラブはインから下りてきますね。これは家でもできるので、毎日続けるといいんじゃないかと思います。
ちなみに今までどおりのスウィングでドライバーショットの計測をしてみたのですが、ランも含めた飛距離が238.3ヤードで、軽いフェードの球でした。スピン量も2788回転。僕的にはいつもの球筋って感じです。
そしてグリップを左手パームにして、体操で得た感覚で胸を閉じたまま振る意識でドライバーを打ってみました。さすがに最初はグリップの違和感と、胸を閉じたまま下ろす感覚がいまいちしっくり来なくて、ミスショットが出ましたが、10発くらい打っているとだんだん慣れてきました。そして出た数値がこれ。
ランを入れた飛距離が244.4ヤードで、軽いドロー気味の球筋になりました。スピン量も2137回転に減っています。やはりスウィング軌道が変わることで、ボールがつかまったということですね。個人的にはあの体操がとてもいいイメージを生んでいるように感じました。カット軌道で悩んでいる人にはかなりおすすめですので、ぜひやってみてください。
この記事には他にもいくつかドリルが紹介されているので、興味がある人はぜひ読んでみてください。